訪日旅行者の観光コンテンツとなったJリーグ観戦

一方、獲得した外国人選手の国からだけでなく、一般の訪日外国人旅行者のあいだでもJリーグは観光コンテンツとしての人気を高めつつある。

Jリーグは現在、31カ国で放映されているため、海外でJリーグの試合を見る機会も増えた。また、試合のクオリティだけでなく、クラブマスコットなどのエンターテイメント性、家族連れで安心して楽しめるスタジアムの雰囲気も知られるようになってきたようだ。

山下氏は、スタジアムで外国人を見かけると話を聞いてみるという。たとえば、「長崎を訪れたら、たまたまV・ファーレン長崎の試合をやっていたから、見に行ってみた。京都に立ち寄ったときも京都サンガの試合を見た」というオーストラリアからの観光客。「テレビでJリーグの試合を見て、ベガルタ仙台とセレッソ大阪のファンになったので、ベガルタ対セレッソの試合を見に日本に来た」という香港人カップル。「お決まりのコースではなく、日本人が楽しんでいる日常を体験してみたかった」と話すアイルランドからの観光客などなど。

FC東京は、外国人の増加に対応するためにスタジアムで「May I Help You」のサービスを始めた。具体的な外国人入場者数は算出していないが、これまでに対応した外国人の国籍は70カ国以上にものぼるという。

「サッカーはグローバルなスポーツなので、それを見て楽しめる人は世界中に多い。しかも、それが日本人の一般生活の中にあるJリーグであることに意味がある」と山下氏。バロセロナに行ったらFCバルセロナの試合をカンプ・ノウで見てみたい。ニューヨークに行ったらヤンキースの試合をヤンキースタジアムで見たみたい。日本人旅行者がそう思うのと同じように、Jリーグは、訪日外国人にとって日本のスポーツ文化、そして観光コンテンツになっているのだ。

https://www.travelvoice.jp/20171202-99070