「ENEOS アジアプロ野球チャンピオンシップ2017」で稲葉篤紀監督(45)率いる日本は19日、韓国との決勝戦(東京ドーム)に7−0と大勝。
就任後初の大会を優勝で飾った。だが、24歳以下または入団3年目(他にオーバーエージ枠3人)限定の大会だったとはいえ、スタンドには空席が目立ち、日本代表戦としては寂しい限り。

このオフに米大リーグ挑戦を控え、手術した右足首のリハビリに励む日本ハム・大谷翔平投手(23)を欠くなど“目玉”不在が響いた。
2020年東京五輪を目指す稲葉ジャパンは、明るい展望を描けるのか。(片岡将)

「2年前のあのプレミア12の逆転負けは覚えています。それがあったからこそ、きょうは何点あってもいいという作戦で臨みましたし、継投もそのように考えてつないでいきました」

韓国メディアから、いまも記憶に鮮明な2015年プレミア12の準決勝・韓国戦(東京ドーム)についての質問が飛んだ。日本は3−0とリードして迎えた9回に一挙4失点で屈辱の逆転負け。
くしくも2年前のちょうどこの日、稲葉監督はベンチから打撃コーチとしてその光景を目に刻んだ。見事2年越しの雪辱を果たした新指揮官だが、喜んでばかりもいられない。

来年3月には豪州との強化試合(3日=ナゴヤドーム、4日=京セラドーム大阪)が予定されており、ここで年齢制限なしの“フル代表”を初めて指揮する。

ところが、この3月の強化試合に不安の声が上がっている。昨年3月に行われた台湾との強化試合(5日=ナゴヤドーム、6日=京セラドーム大阪)に向けては、
当時の小久保裕紀監督(46)が2月に各球団のキャンプ地を行脚しながら選手供出を依頼したが、エース級は軒並み断られ、
主催のNPBエンタープライズとの深い関係で何とか巨人の菅野智之投手(28)の出場にこぎつけた経緯がある。

各球団がエース級の投手を出し渋ったのは、開幕を約3週間後に控え(16年は25日開幕)、主戦級が開幕カードに向けた調整に入っていたからだ。

「ある程度、東京五輪のある3年後を見据えながら、軸になっていくと思われる選手を選んでいこうと考えている」と3月の方針を語った指揮官。
来年の公式戦開幕は3月30日と強化試合からは約4週間の間隔があるが、代表関係者は今から「やはり開幕戦の先発候補となると反応はかなり厳しい」とみている。16年同様、エース級の招集は断りが入る可能性が高いという。

今大会は、3試合で打率・462、1本塁打、4打点と打ちまくりMVPに輝いた外崎(とのさき)修汰内野手(24)=西武、好打を連発した西川龍馬内野手(22)=広島、近藤健介捕手(24)=日本ハム=ら
若手有望株の活躍で優勝を勝ち取ったが、いかんせん知名度がイマイチ。

この日の観衆は、シーズン中の巨人戦であれば4万人は超える東京ドームのスタンドに、3万498人。日曜のナイターの割に寂しい客の入りが、新体制への注目度と期待を物語る。

民放関係者は「1人のスターの存在で一般の注目度は一気に変わるものですが…」と目玉不在を嘆く。

例年通りなら、来年は3月の豪州戦に加え、秋にも強化試合が行われる見込みだが、そのときには海を渡って大リーガーになっているであろう大谷の代表招集は絶望的だ。
さらに19年の第2回プレミア12も、肝心要の20年東京五輪も、大リーガーの出場が実現する可能性は極めて低い。

となると、稲葉ジャパンは今後も目玉不在に悩まされながら代表戦を戦っていかなければならない。国際試合の強化と興行の成功は、侍ジャパンが常設化されて以来の両輪といえるテーマだが、その片方が変調を来している。

そもそも、ダルビッシュ有投手、田中将大投手の名前を出すまでもなく、日本球界は相次ぐメジャー流出に“出がらし”状態が近づいているイメージすらある。

前出の民放関係者は「大谷の後継者になれそうなのは清宮(幸太郎内野手=早実3年)だが…」と日本ハムに1位指名されたスーパールーキーに期待を掛けるが、
「秋の試合で招集するのも、相応の成績を残していないと無理がある」。稲葉監督の古巣でもある日本ハムの育成能力に期待するしかないか。

11/21(火) 16:56配信  夕刊フジ
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