貴乃花親方が貴ノ岩の診断書を相撲協会に提出したのは9日付。それが「(1)脳震とう(2)左前頭部裂傷(3)右外耳炎(4)右中頭蓋底骨折、髄液漏の疑い」と記載されたものだ。
17日付の朝日新聞は、これとは別に10月25日夜の暴行直後、病院で作成された他の診断書が被害届とともに鳥取県警に提出されていたと報じた。けがの程度は協会に提出したものより軽く、骨折は含まれていなかったという。

貴ノ岩が本当に重傷なのかを疑わせる内容ともいえるが、2通の診断書は受診した時期も病院も別とみられ、結果が異なっても不思議ではないとの見方もある。
沈黙を続ける貴乃花親方は、15日発売の週刊文春の直撃に「暴行の被害を知ってすぐに警察には被害届を出しました。現在、警察の連絡待ちの状態です」と答えた。

問題が発覚した13日、相撲担当の報道陣に「何も答えられないから」と話した後は一切コメントをしていない。だが、文春にちゃっかり答えたのは、何か狙いがあるのだろうか。
同記事で貴乃花親方は、貴ノ岩が誰から暴行を受けたとは話していないが、記事は日馬富士から暴行を受けたことを前提とする内容だ。

貴ノ岩は10月25日夜から26日未明まで鳥取市内で開かれた宴会中に暴行を受けたが、貴乃花親方には当初「転んだ」と報告。
親方は同29日に鳥取県警に被害届を提出したが、11月3日には相撲協会の鏡山危機管理部長(元関脇多賀竜)からの電話での聴取に対し、「よく分からない」と返答している。

春日野広報部長(元関脇栃乃和歌)は貴乃花親方の文春のコメントについて「私にはそんなことは言っていなかった。こっちに報告していることと違う。
『誰にやられたかも分からないから被害届を出した』と言っていたし、素人と街でケンカした可能性もあるとは言っていた」と驚く。


協会幹部からは「それだと協会に対する偽証になる」という声まであがった。
日馬富士から暴行を受けたことが分かった時点で、力士同士のトラブルで片付け、被害届を取り下げることもできたが、貴乃花親方にそのつもりはなく、強硬な姿勢を崩していないことから、協会に対して意図的に嘘をついた可能性が高い。

そんな中、問題の宴席に同席していた白鵬が火消しに動いた。
「報道されていることと実際はズレがあった。(殴ったのは)ビール瓶ではなく、馬乗りになった事実もありません。
その場で貴ノ岩に謝って、先に帰しましたし、次の日(10月26日の鳥取巡業)は日馬富士と握手をして、普通に取組もしていました」と証言したのだ。

九州場所5日目(16日)の打ち出し後のことで、力士は通常、取組後に風呂からあがり、支度部屋でマゲを直しながら取材を受ける。
だが、この日の白鵬は帰路に就く際、支度部屋から出たところで立ち止まる異例の対応。自分から口を開き、約5分間一気に語った。

白鵬はこの日の朝にも、宮城野部屋で「私はその場にいたわけですし、相撲界、世間に本当に申し訳ない思いでいっぱいです。
(日馬富士は)ビール瓶を握ったが、水滴で滑り、瓶が落ちた」と説明。ビール瓶で殴ったわけではないことを強調した。

さらに「4、5年前に貴ノ岩が問題を起こしたとき、貴乃花親方から電話で『かわいがってくれ』と頼まれた。
ぶつかり稽古で顔をたたいて気合を入れて『駄目だよ』と(注意した)。そういう光景は普通のことですから」とも明かした。

角界の第一人者としては、宴席の出来事は、そのときと同様に相撲流の指導の一環で、こんな騒ぎになるとは考えていなかったのだろう。
すべては協会の初動段階の対応が大失敗の要因ともいえるが、九州場所の混乱は収まる気配がなく、不可解な言動を繰り返す貴乃花親方に大逆風が吹き始めたのは間違いない。

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