そのタイミングで貴ノ岩の携帯電話が鳴り、取ろうとしたところ、日馬富士は目の前にあったビール瓶を手に、ガツンと頭を殴ったという。

「本当に一瞬、ただ絶句というか呆気というか、固まってしまい、咄嗟のことで誰も止められなかった。そして日馬富士が『この野郎』とか言いながら、貴ノ岩に襲い掛り、グーやパーで何度も顔面を殴りつけた。貴ノ岩は両手でガードし、直接当たったパンチは少なかった。照ノ富士らが止めに入ったが、日馬富士は『お前もやられたいのか、なんだ。俺に向かってくるのか』と怒鳴り、2、3発、胸を突いたりした。箸や灰皿を投げたりする日馬富士に対し、白鵬が若手に任せられないと立ち上がって『いい加減やめろ、何やっているんだ』と制止しようとしたが、『うるさいよ』と手を振り払い、さらに貴ノ岩を殴ろうとした。そこに何人もの力士が入ってなんとか収まりました。貴ノ岩のスマホは床に吹っ飛んでいました」(同前)

 店内のテーブルや床にビール瓶や割れた破片が散乱し、騒然とした雰囲気に。白鵬が日馬富士の耳元で何か注意をし、約5分後には店を出たという。

「先に頭から血を流していた貴ノ岩を店から出したが、『くそ、痛いよ、本当に。ビールで殴るなんて』と顔をしかめていた。白鵬や鶴竜が支えていたが、貴ノ岩は自分で歩いていた。大出血ではなかったが、頭が腫れているようにみえた。日馬富士は何も言わず、店の人に頭を下げるしぐさだけして、出て行きました」(同)