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2017年11月15日 5:40 発信地:日本

【11月15日 時事通信社】来日したロシアの国民的ロックバンド「ムミー・トローリ」のリーダー、イリヤ・ラグテンコさん(49)が14日、東京都内で時事通信のインタビューに応じ「日ロ交流は一日にして成らないが、今、始めなければならない」と呼び掛けた。北方領土問題などが両国間に存在することは認めながらも、まずは音楽や映画、アニメ、ファッションといった現代文化を通じて相互理解を深めるべきだと提案した。

 ラグテンコさんは、日本と歴史的関係が深い極東のウラジオストク育ち。30日に渋谷クラブクアトロで東京初の単独コンサートを開く。

 日本とロシアが互いに「遠い隣国」とも言われる中、ラグテンコさんは「ウラジオストクは地理的に日本に近いだけでなく(漁業や中古車輸入を通じた)知日的な都市だ」と紹介。プーチン政権がアジア重視を打ち出す中、ロシア全体に日本語の専門家を増やすなど「知日政策」が必要だと独自の構想を披露した。

 同じロシア人でも首都モスクワ市民にとっては、日本どころか、ウラジオストクの知識も乏しいとロシアの実情を語るラグテンコさん。あまりに遠くて「ウラジオストクは日本国内にある。蛇口をひねると日本のビールが出てくる」と冗談もささやかれるほどだという。

 ロシアの指導者、プーチン大統領に関しては「サンクトペテルブルクの会議で何度も握手している。自然や野生動物の大の愛好家だ」と述べた。極東で絶滅が危惧されるアムールトラの保護活動に尽力していることを評価した。

 ラグテンコさんは、ロシアのロック音楽を「物悲しく、欧米ほどリズミカルではないかもしれない」と控えめに紹介した。ただ、30日の公演を前に「ムミー・トローリのコンサートは、若いロシア人女性が最前列に陣取ることで有名だ。ステージに行けば、日本人もきっと楽しんでもらえると思う」と笑顔で来場を呼び掛けた。(c)時事通信社