『なぜイタリア代表は敗退したのか』

4度のワールドカップ優勝を誇るサッカー強豪国のイタリア代表が
14日ワールドカップ欧州予選2ndレグでスウェーデン代表に破れた。
イタリアがワールドカップ予選を敗退したのは1958年のスウェーデン大会以来の60年ぶり。
世界中に衝撃を与えたこの試合。
なぜアズーリの称号で親しまれたチームは弱体化したのか。
その理由はタレントの不在である。
かつてはロベルト・バッジョやフランチェスコ・トッティ、アレッサンドロ・デルピエロに挙げられる
閃きと技巧により世界中に美しいプレーでゴールを奪う才能豊かな名手が揃っていた。
ゴールに鍵を閉める“カテナチオ”と呼ばれる堅固な守備から僅かなチャンスを抜け目なく
彼らの華麗な一撃で勝利を収めていたのがイタリア代表のスタイルであった。
しかし時代は変わっていく。
カルチョスキャンダルによるセリエAの衰退により自国リーグのレベルは著しく低下。
更にサッカーそのものがアスリートスポーツ化して、攻守とハードワークをする万能型が優遇され
技巧派の才能ある選手が絶滅してしまった。
それらの要因が鉄のサビのようにイタリア代表を陳腐化させ、
どこにでもある普通のサッカーチームに変えてしまったのだ。
「アズーリは死んだ」
決定力不足に泣いたサン・シーロでそんな絶望の嘆きが聴こえてきたのは私だけであろうか。