この連載について
【野球消滅】プロ野球・高校野球が人気を博す中、2007年からの10年間で小・中学生の野球人口は26%減少。
将来のプロ野球存続を危惧する関係者もいる。子どもたちの野球離れはなぜ進んでいるのか。変われない野球界の問題点を見つめ直す。

#00 プロローグ
【新】野球少年激減。プロ野球ビジネスが成立しなくなる日

 2017年のプロ野球は史上最多の観客動員2513万9463人を記録、高校野球では早稲田実業の清宮幸太郎や広陵の中村奨成が大きな注目を浴びるなど、野球人気はうなぎのぼりだ。

 それだけに、遠くない将来の野球界を揺るがす地盤沈下はほとんど目を向けられずにいる。

 北海道日本ハムファイターズの大渕隆スカウトディレクターは金の卵を探して日本全国を巡る中、野球人口減少の惨状を見聞きしてきた。

「時代の流れとして、野球は淘汰されるんだなと感じています。ダイバーシティと言われる中、競技も多様化されて当然。
それなのに、野球界では『巨人、大鵬、卵焼き』の流れがまだあると思っている人がいます。日本に野球があって当たり前だと思う感覚を早く捨て去らないといけない」

 過去10年間のデータを見ると、小・中学生の野球離れは著しい。

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 2007年と2016年の人数を比較すると、小学生は19%、中学生は32.7%の減少だ。子どもの総数自体が減っているとはいえ、その減少幅は7.7%だから、少子化だけが野球離れの原因ではない。
加えて言えば、サッカーの小・中学生年代にあたる第3・4種人口は同時期に6%増えている。

 とりわけ深刻なのが地方だ。伝統的に野球の盛んな青森県弘前市では、スポーツ少年団に登録する小学生の数が2006年の1113人から2016年には343人に減った(弘前市役所文化スポーツ振興課調べ)。

 首都圏にとっても他人事ではない。神奈川県の少年野球チームは2010年に2000あったものの、2017年には800まで減っている(慶応高校野球部の上田誠前監督による調査)。

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「高校野球の部員数だけは減っていない」

 野球関係者の間でそう不思議がられてきたように、上の図を見ても2007年と2016年の高校野球部員数はほぼ変わらない。しかし、いよいよ影響が出始めてきたという声もある。

 千葉県柏市を中心にスポーツトレーナーとして活動する鶴岡大氏によれば、「今年、千葉では1年生の部員数が激減しています。柏市では(部員数が)15人を切っている公立高校も多いみたいです」

 一方、青森県高校野球連盟の高橋聡理事長が現状を説明する。

「五所川原では5校連合にしないとチームが成立しないほどです。来年夏の100回大会に向けて、春にならないと出場校すら確定できない。
これまではそういう学校が1つ、2つでしたが、今はそういうレベルではありません。子どの数がどんどん減っている影響です」

 青森県の年少人口(0〜14歳)が1975年の38万218人から2015年に15万493人と半減する中、野球少年は大幅に減少している。

■時代の波に取り残される野球界

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NewsPicks 2017/11/6 スポーツライター・中島大輔(NewsPicks編集部 スポーツ担当)
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中島大輔(NewsPicks編集部 スポーツ担当)
スポーツライター。2005年から当時セルティックの中村俊輔を4年間密着取材。帰国後は主に野球を取材している。
著書に「人を育てる名監督の教え」(双葉新書)「中南米野球はなぜ強いのか」(亜紀書房)。日経産業新聞、週刊ベースボール、スポーツナビなどで執筆。
https://newspicks.com/user/168354

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