(セルジオ発言 続き)


日本は「種目文化」しかなくて、「スポーツ文化」が無い。

日本では中体連・高体連に所属しないとスポーツ大会に出場することもできない。
野球の協会に登録すると、サッカーの大会にもバスケの大会にも出場できなくなる。
登録は出場する「大会」に対してすればいいことであって、「種目」の「協会」に
するものじゃないはずだ。
部活動で種目を拘束してしまうから、野球をやった子供は野球しか知らないし、
バスケを選んだ子はバスケしか知らないままで、「スポーツ」の認識がない。

子供の頃に一つの種目に限定してしまうから、スポーツ全体を愛するという
精神が育たない。こういう認識や精神は、子供の頃から色んなスポーツを
実践して体得するもので、上から叩き込もうとしたってできないものなのに。

地域クラブでいくつもの種目を経験した子供たちは、同じ地域の他の種目の
選手たちも仲間として応援するし、自分は地域の一員なんだと自覚する。
日本は同じ地域の他の種目や選手たちを「敵」扱いする人間が育ってる。

なぜ日本は子供を「拘束」するのか。

たとえば日本の「補欠」という概念には驚いた。
100人部員がいたら試合に出られない人間はみんな応援に回ってる。
ブラジルやドイツならチームを4つ作って全員が大会に出られるようにする。
高いレベルの子供たちが、強豪校に入っているから大会に参加することも
できなくなるなんて変な話だ。

学校で部活という時間や施設を利用するのはいい。でもそこで「拘束」する、
他の種目に参加できなくするというのは、あるカラオケ屋に行って一度そこの
会員になったら、もう他の店には入れなくするというのと同じくらい愚かなことだ。