現在放送されている報道番組のスタイルを作った“元祖”と言えるのではないだろうか。
「ニュースステーション」のメインキャスターを務めていた久米宏(73)が、“自伝的エッセイ”を刊行。
関わった様々な番組の秘話とともに、これまで明かされなかった「ニュースステーション」降板のワケを綴っていた。

 今では考えられないが、テレビが自由な時代だった。

「そろそろ潮時だ」

 なにより興味深いのは、久米自身も一番ページを割いている、「ニュースステーション」についての記述だ。

 85年に誕生した番組は、従来の報道番組に無いセットを構え、都会的でファッショナブルな作りがウケた。その一方で、

〈発信力が高まるにつれ、自民党の番組に対する批判は激しさを増した〉

 全4795回の平均視聴率は14・4%。報道番組としては圧倒的な数字だ。にもかかわらず、彼は18年半続けた番組を、
なぜ、降りてしまったのか。

〈「政治とテレビの関係」にあったのかもしれないと今になって思う〉

 2001年に小泉政権が誕生した際、マスコミを巧みに利用した「小泉劇場」の演出に、結果的にテレビが加担したことで、

〈そこに生じた、テレビと政治のいわば「不義密通の関係」。
(中略)政治とテレビの関係に嫌な予感を覚えたことが、「そろそろ潮時だ」と決めるに至った原因ではなかったか〉

http://news.livedoor.com/article/detail/13828982/