ホテルに行くことになった経緯について山口の記述

>寿司屋でトイレに入ったあなたは、長い間出てこなかった。
心配になった店の方に促されて、ようやく出てきたあなたは、見るからに酔っ払っていました。
驚いた私は、やむなく急いで会計を済ませました。
店を出たのは22時半から23時頃だったと思います。
店を出る段階で、あなたは足元が覚束なかった。
そして、店の入り口左手にあった荷物置きの棚から、あなたは自分のショルダーバッグに加えて、他のお客さんのカバンも持って出てしまったことが後になってわかっています。
誰が見ても、一人で電車に乗って帰すことは困難な状態でした。
しかし、私は当時、TBS報道局のワシントン支局長を務めていたので、ワシントン時間の午前中、すなわち日本時間の23時過ぎまでに済ませなければならない作業、(メール確認やパソコンでの調査連絡)を複数抱えていました。
神奈川県に住んでいるあなたを送っていったら、作業が時間内に終わらない。
しかし、あなたは自力で帰れそうにない。
私はやむなく、当時逗留していたホテル(一時帰国のために部屋を取っていた高輪の都ホテル)で休んで酔いを醒ましてもらい、自分の作業を終えてから送って帰るしかないと判断しました。(259頁)