10/23(月) 18:52配信
【高校サッカー】“恵みの雪”で、札幌光星が12年ぶり4強進出

 ◆第96回全国高校サッカー選手権北海道大会(23日、旭川・東光スポ―ツ公園球技場)

 3回戦4試合が行われ、札幌光星が昨年準優勝の札幌大谷を3―1で下した。MF下地琉斗(2年)が2ゴールを決めるなど活躍。12年ぶりの4強進出を決めた。

 試合終了の笛が鳴ると、札幌光星イレブンは抱き合い喜びを分かち合った。昨年準優勝の強豪・札幌大谷を撃破。DF新貝宏太主将(3年)は「とにかく必死に戦った。目標のベスト4を達成できて本当にうれしい」と寒さで唇を振るわせながら、喜びを口にした。

 白銀のピッチが戦場だった。この日の旭川市の最低気温は0度。台風21号の影響で朝から雪が降り続き、人工芝のピッチに5センチ以上の雪が積もった。タッチラインが見えず、試合前には雪かきが行われた。しかし、“恵みの雪”となった。

 1―1で迎えた後半22分、MF下地が「雪でボールが走らない。狙っていた」と、ゴールポストに跳ね返ったボールを左足で押し込み、勝ち越し弾を決めた。前半10分にも「GKが前に出ていたのが見えたので」とゴールまで約25メートルの地点からループシュート。相手GKは雪で足を取られ、ボールは無人のゴールへと吸い込まれた。J1浦和などに所属した元Jリーガーの小林宏之監督(37)は「(雪が積もっていたので)とにかくゴールに向かう姿勢を徹底させていた。よくやった」とイレブンをねぎらった。

 プリンスリーグ北海道で戦う札幌大谷に対し、札幌光星は下部にあたる札幌ブロックリーグ1部に参戦している。同じ1部所属の札幌大谷のBチームと今季は2度対戦し、いずれも完封されて連敗した。今大会1、2回戦は調子を落としていた下地だが、「チャンスはあると思った」と大一番で2ゴール。小林監督は「下地はパスやトラップがずれていたけど、雪のおかげで(ボールが走らなくなり)関係なくなったね」と冗談交じりに笑った。

 28日の準決勝で、2戦9発の道大谷室蘭と対戦する。「いつも通りに戦って優勝したい」と下地。天敵との“雪合戦”を制し、36年ぶりVへ、札幌光星の勢いは増すばかりだ。(宮崎 亮太)

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