>>1に続く前の部分

だが、3年生になり、春の甲子園に戻ってきた清宮選手は、その懸念を払拭(ふっしょく)してくれた。
外角の球をしっかり反対方向に打ったり、変化球への対応もよくなったりとレベルアップしていた。
スイング自体も高校生離れしたパワフルなものに変わっており、
「危険なので金属バットを持たせてはいけないパワーだな」と思ったほどだった。

 スケールが大きくなった一番の要因は、体が大きくなったことだ。
プロで近いタイプとしては、同じ左のT−岡田選手(オリックス)や筒香嘉智選手(DeNA)といった
、日本を代表するスラッガーだ。
打席の左右こそ違うが、そのパワーは中田翔選手(日本ハム)に匹敵し、
なおかつ器用さは清宮選手が上ともみてとれる。
1年生のときは「あの打撃では…」という声が多い人気先行型だったが、実力が釣り合ってきた。

 清宮選手について最近、注目されていたのは、高校卒業後の進路だった。
将来のメジャー挑戦への意欲を隠さなかった清宮選手。
早実から早大に進むのでは−という予測も多かった。
中には米大学進学という観測も上がる混乱ぶりだったが、
最終的にはプロ志望届を提出し、日本のプロ野球入りという選択が取られた。会見では、
早実の大先輩、王貞治(巨人)が持つ世界記録、通算868本塁打を目標に掲げた。

 私は正解だったと思う。1日でも早くプロ入りした方が得策で、高卒2年目にも1軍に定着する可能性はある。

 だが、そのものずばりの「即戦力」といえない根拠は、>>1に続く


>>1の続き

ただ、これは対応が体にしみこめば克服は可能。
そのためにまずは2軍で慣れることだ。メジャー志向については、どうだろう。
まだ18歳。メジャー側からすると、完成された選手ではないが、
素材として魅力があるのは確かだ。
清宮選手が基本的に一塁しか守れないことを難点に挙げる声もあるが、
メジャーの一塁手に負けないほど打てばいいだけの話だ。守備位置はあまり、ネックにならない。

 いままでの日本人野手との違いは、明確に当初からメジャー挑戦を考えていること。
清宮選手がこれまでの成長曲線のように育っていけば、メ
ジャーでも年間30本塁打を放つ姿はイメージできる。
若いうちに渡米すれば、松井秀喜選手(ヤンキースなど)がメジャーで記録した
通算175本塁打を超える選手になるはずだ。
868本を目指すという、その意気込みを持ち続けていてスケールの大きな打者に成長してほしい。

http://www.sankei.com/premium/news/171021/prm1710210002-n3.html