『キングオブコント2017』(TBS系)で準優勝した男女コンビ・にゃんこスターの勢いが止まらない。独創的な縄跳びのコントで視聴者に衝撃を与え、賛否両論の大反響を巻き起こした。

その後、スポーツ紙の取材で2人が交際中であることが明かされると、そのこと自体が新たに注目の的になった。
男女コンビで付き合っているというのが珍しいケースだったからだ。すでに彼らのもとには出演依頼が殺到しているそうで、これから年末にかけてさらなる飛躍が期待されている。

男女コンビのあり方は時代によって変わる。かつてのお笑い界では、男女コンビというと夫婦や元夫婦による「夫婦漫才」が一般的なスタイルだった。
鳳啓助・京唄子、正司敏江・玲児、宮川大助・花子などがその典型である。

多くの場合、女性の方が口が達者で、男性がそれにやり込められる形で漫才が進められていた。
女性の社会的な地位が低い時代だったからこそ、舞台の上で女性側が権力的に振る舞うことが現実離れした爽快感とおかしさを生んでいたのだろう。

また、昔はそもそも女性芸人の数が少なかった。女性が演芸の舞台に立っているだけで物珍しいと思われていた。
だから、男女コンビが舞台に上がると、観客から「この2人は付き合っているのか?」「結婚しているのか?」という目線で見られるのは当然のことだった。
当事者である芸人たちは、それを意識して、自分たちが「付き合っている」「夫婦である」「夫婦だったが離婚した」ということを話題に出して、恋愛や結婚にまつわるネタを演じることが多かったのだ。

ところが、最近になって、お笑いがブームになり、芸人を目指す人が増えると、女性芸人の数も急増した。
そして、交際中でもなく夫婦でもない、新しい形の男女コンビが徐々に増え始めた。

その先駆けとなったのは、2004年の『M-1グランプリ』で準優勝してブレークした南海キャンディーズだろう。
おかっぱ頭で怪しい風貌の山里亮太と、体は大きいが人の良さそうな笑顔が魅力的なしずちゃん。
唯一無二の個性を持ったしずちゃんのキャラクターを生かした漫才は、新しい時代の到来を予感させるものだった。



https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171020-00000096-sasahi-ent
10/21(土) 11:30配信