22日投開票の衆院選の情勢を伝える一部のメディアが目に余る“偏向報道”を繰り広げている。
野党への投票を呼びかけるかのような発言を放任したかと思えば、民間の学校法人をめぐる言いがかりのような「疑惑」だけをことさら争点として取り上げる。

与党の優勢が伝えられると、選挙制度が「民意」を反映していないとこじつけのような論理を展開する。
放送法が定めた「政治的公平性」を忘却したかのような姿勢に、メディアのあり方を問う声が上がっている。

「果たして民意を表しているかというと大いに疑問で、選挙制度のあり方を含めて悩ましいところ」

与党優勢の情勢を報じた17日朝のテレ朝系情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」。
コメンテーターとして出演したジャーナリストの青木理(おさむ)氏は現行の選挙制度を批判した。

番組では、産経新聞が同日付朝刊に掲載した産経・FNN(フジニュースネットワーク)の世論調査結果(12〜15日)を取り上げ、
自公で衆院の3分の2(310議席)を超える見通しである終盤情勢を解説。

この結果に対して、青木氏は「各社の世論調査を見ていても、安倍(晋三)政権の支持率は、
不支持が多いくらいのほぼ拮抗(きっこう)の状態」と強調し、与党の優位はさも「民意」を反映していないかのような口ぶりでコメントを加えた。

司会の羽鳥慎一キャスターから放送内容のバランスを取ろうとする姿勢はうかがえなかった。

この日の番組ではさらに、青木氏が耳を疑う発言を繰り出した。争点の1つである憲法改正に言及し、
改憲反対派への投票を呼びかけるかのようなコメントを口にしたのだ。

「憲法は国の基本なので、それに対して不安のある人はいろいろ考えて慎重に投票しないと、
自分たちの思いと違う方向に政治が行っちゃう可能性があることを忘れちゃいけない」

同調したテレ朝の社員コメンテーター、玉川徹氏に至っては、憲法で定められた「国民投票」について
「政治があなたたち(の賛否は)どっちなんですかと強制的に答えさせるというのが国民投票。
そういうことが来年起こり得るという状況だということでもある」と放言する始末だ。

テレ朝は公示日翌日の11日夜に放送した「報道ステーション」の党首討論でも偏向ぶりを見せた。
約40分のうち半分以上を、学校法人「森友学園」(大阪市)や「加計学園」(岡山市)をめぐる「疑惑」に充て、経済政策などには触れなかった。

TBSで15日朝に放送された情報番組「サンデーモーニング」でも、野党への投票を促すかのような発言を放送していた。

番組では、共同通信による序盤の世論調査を紹介。自民党が単独で過半数を大きく上回り、
公明党と合わせて憲法改正に必要な3分の2に迫る勢いであることを伝える一方、有権者の半数超が投票先を決めていないことを説明した。

これについて、コメントを加えたのは、「今回の選挙は安倍政権5年間の信任投票で、政権交代が起こるかもしれないという期待があった」
と語る東京大名誉教授の姜尚中(かん・さんじゅん)氏。

「選挙に行ってほしい。そうしないと投票率が下がってしまう。日本の今の民主主義にとっては非常に危機的状況なので、
ぜひとも選挙には行ってほしい。次回に何をするか賭けてもらいたい」

視聴者に対して、熱心に投票に行くよう呼びかける一方で、与党に投票すると問題があるかのような発言だった。

放送法は、テレビ局やラジオ局に対し、放送の政治的な公平性を求めている。放送局は新聞社や出版社と異なり、総務省から免許や認定を受けなければ業務を行えない。
公共財である限られた電波を使い、多くの視聴者に一斉に情報伝達できる、大きな社会的影響力を持つためだ。
特に地上波テレビは参入できる民間事業者が極めて限られている。

では、テレ朝やTBSの衆院選をめぐる一部の報道が、客観的に公平性を担保できているだろうか。
http://www.sankei.com/premium/news/171021/prm1710210004-n1.html

【テレビ】TBS「サンデーモーニング」で野党に投票促すかのような発言
https://hayabusa9.5ch.net/test/read.cgi/mnewsplus/1508050283/-100