[2017年10月18日]
数々の人気アニメで声優を務める佐倉綾音さん
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今年で誕生から100周年を迎えた日本のアニメ――。日本が世界に誇る一大コンテンツのメモリアルイヤーに、週プレNEWSでは旬のアニメ業界人たちへのインタビューを通して、その未来を探るシリーズ『101年目への扉』をお届けする。

第5回目は、声優の佐倉綾音さん。現在放送中の『十二大戦』や『ボールルームへようこそ』、『宝石の国』など多くの人気作・話題作に出演しているだけでなく、雑誌の表紙やグラビアにも登場する注目の若手声優だ。

まずは、若干23歳ながら、すでに7年近いキャリアを持つ彼女の転機について話を伺った。

■自己顕示欲がなさすぎて声優の道へ

―デビューは16歳とかなり早いですが、実は子どもの頃から声優になろうと思っていたわけではなかったそうですね。

佐倉 中学生の時に所属していた劇団(劇団東俳)のボイストレーニングの先生から声の仕事をしたほうがいいと言われたことがきっかけですね。

―最初は役者志望だったんですか?

佐倉 とても真剣な夢というわけではなくて。私は小さい頃からカラダが弱くて、総合的に体力をつけられる習い事をしようと思っていたんです。
それで演技の他にも日本舞踊やストレッチ、殺陣やボイストレーニングなどいろんなことを学ぶことができるからと東俳に入りました。

あとは昔から映画やアニメのメイキングを観るのが好きで、裏方の世界に憧れがありました。メイクさん、衣装さん、美術さん…。役者になりたくてというより、劇団ならそういう人たちの仕事が垣間見れるんじゃないかと思ったことも大きいですね。

―そこからどうして声の仕事に?

佐倉 中学生なりの思いつきで劇団に入ったのはよかったんですけど、実際にステージに立った瞬間、「あ、違う」って思ってしまったんです。

―違う、とは?

佐倉 自己顕示欲があまりないタイプだったので、自分が何を表現すればいいのかわからなくて。劇団ってエチュードみたいな、自由に演じてくださいってお芝居をよくやっていて。
でも、私は表現欲求がゼロだったから何も返すものがなくて。それで「役者は向いていないかもしれない」と初めて気が付いたんです。

―でも、先生に勧められたくらいですから、声のお芝居には向いていたわけですよね?

佐倉 いやー、演技はできなかった分、ムダに声は大きく出していたので、そのせいだと思います(笑)。

―いやいやいや。

佐倉 マイクに乗りやすい声質というのはあったのかな。あと、私は台本を覚えるのがめちゃくちゃ下手だったんですけど、読みながらのお芝居は割とできたんですよ。そういうところも見てくれていたのかもしれません。


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