評論家が苦言 石川遼は米ツアー苦戦で「ゴルフが後退」

「生きるか死ぬかの一打を見せる」も口先だけだったのか。米ツアーのシード権を失い、年内は国内ツアーに専念する石川遼(26)だ。

 初日は8番でOBを打つなど2バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの72で回り2オーバー61位。同組の小平智(28)は8バーディー、2ボギーの64で回り首位に並び、1オーバー44位だったアマチュアの比嘉一貴(22)にもかなわなかった。

「悔しいラウンドになってしまった。トーナメントリーダー(小平)と一緒にラウンドして、いい攻め、悪い攻めが見えた。後半に立て直そうとしたけど間に合わなかった」(石川)

 大会前には優勝スコアを8アンダーだと予想し、「自分は10アンダーまでいきたい」と威勢のいいコメントを出していた。好プレーを期待して、わざわざ会場に足を運んだギャラリーは裏切られたと感じた向きも少なくなかったはずだ。

 しかも、ホールアウト後の会見では、「8番のOBは全くコントロールできていない。ドローしている球であれば、それがフェアウエーの真ん中に出るのか、左に出るのか、右に出るのかの調整なんで」と、そもそも狙った所に飛ばせる技術さえなかったのだ。それでよく優勝スコアを予想できたものだ。

 評論家の早瀬利之氏が、「米ツアーに行ってゴルフが下手になったんじゃないかなと思う」と指摘する。

「石川が賞金王になった2009年の日本シリーズで、プレーを見た陳清波さんが“バーディーを取るためのルートが決まっているのに、がむしゃらにボールを飛ばしているだけで、コースマネジメントがなっていない”と嘆いていました。その時からちっとも成長していないのがわかる。畑岡奈紗は米ツアーで苦戦して、帰ってくれば日本女子オープン連覇と成長の証しを見せた。ところが石川のゴルフには進歩がなく、飛ばすことに全神経を使って後退しているようだ。練習ラウンドの映像を見たが、フィニッシュを取っていなかった。それは方向性が安定しない、自信のないスイングだからでしょう」

 タフなステージで5年間もプレーしていながら、何の収穫もなく日本に舞い戻って来ただけなのだ。米ツアーに行ってゴルフが下手になった、といわれても仕方がないだろう。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171013-00000021-nkgendai-golf

石川遼、7ボギー1ダボで予選落ち「真っすぐ飛んだら自分が一番ビックリする」

 歯車は狂ったままだった。インパクト時に右股関節が浮く癖を手首をひねって当てにいく。その影響でフェースが開いて右に曲がった。「あまりにもスイングが悪すぎる。真っすぐ飛んだら自分が一番ビックリする」。ピンチからのアプローチも寄せ切れず。最年少賞金王となった09年前後のような、ショットが不安定でも奇跡的な好リカバリーでV争いを演じる姿はなかった。

 緊迫した場面でこそ鋭さを増す勝負師の勘と技を失った。米国では、毎日やるべきことを頭の中でリストアップ。「やらなきゃってなって、逆に課題だけを見てしまった」。難コース攻略のために始めたはずが、次第に持ち味の多彩な引き出しが削られた。「日本で勝っていた頃は『どや!』という感覚を持って打っていた。その『どや!』という感じがない」。9月の米ツアー入れ替え戦で「ゴルフが下手になっている」と涙した理由だった。

 この日の朝はパットの練習時間を削り、スタート直前までショットに集中。ラウンド後も練習場に直行して約1時間15分打ち込んだ。それでも右に曲がり、いら立ちが募る。「体になじむのに何千球とかかる。戻すというより今までで一番いい状態にしないと」。泥沼に沈み続けるわけにはいかない。
http://www.hochi.co.jp/golf/20171013-OHT1T50271.html