韓国サッカー協会が国内ファン向けに“ガス抜き”を行った。9月27日に開いた技術委員会で、2002年日韓共催ワールドカップ(W杯)で韓国をベスト4に導いたフース・ヒディンク氏(70)の「代表監督を引き受ける用意がある」との発言を受けて、代表チーム強化の協力を仰ぐ考えを示した。9大会連続で2018年ロシアW杯に出場を決めたが、不甲斐ない成績での出場に本大会では惨敗すると早くも予想されているほど雰囲気は低調なところに、ヒディンク発言で韓国内では「ヒディンク待望論」の集会が開かれるほどだったからだ。そんな中、スポーツソウル紙は「日本はもう韓国サッカーをライバルに考えていない」と題して韓国サッカーの現状を論じ、中央日報は「過去最悪の危機の中でW杯スタート」と懸念を募らせる。

 すべての元凶は韓国サッカー協会に行き着く。ロシアW杯アジア最終予選で成績が低迷してもウリ・シュティーリケ前代表監督の更迭時期を先延ばしし、W杯出場決定を土俵際まで追い込んだ。選手から公然と監督の戦術批判が出ていたと韓国メディアが代表チーム内の混乱ぶりを報じていたにもかかわらずだ。韓国ネットユーザーからも「サッカー協会は現実を直視できない」などと書き込まれている。

 アジア最終予選の第9戦・イラン戦、最終戦・ウズベキスタン戦でともに0−0で引き分けた。「(W杯の)本大会レベルの競争力がないというのがファンの考えだ」と中央日報は伝えた。

 そこで、韓国のサッカー情勢を気に掛けているというヒディンク氏が「韓国国民が請うなら」という条件つきで代表監督を引き受けてもいいと発言したから韓国のサッカー・ファンが炎上した。9月23日にはソウル市内の韓国サッカー協会前で約20人の熱狂的なファンが長年の悪弊勢力を追い出してヒディンク氏を監督に迎えようなどと訴えたという。

http://www.sankei.com/premium/news/171011/prm1710110004-n1.html