スタメン組が次々と出場しているのにもかかわらず、後半33分、逆転ゴールを食らった理由はハッキリしている。サブ組ベースの中にスタメン組が加わることで、中心がぼやけ、チームの統制が取れなくなっていたのだ。このミスマッチ感。それを生じさせた監督采配こそ一番の問題だと僕は見る。

 責任が重いのはサブ組よりむしろスタメン組だ。10番を背負い中心選手を自負する香川真司はいったい何をやっていたのか。後半9分まで出場した小林祐希より、明らかに劣っていた。

 確かに、2−1にされたハイチのゴールは遠藤の深追いが一番の原因であり、東口順昭のセーブも3失点中2失点は防げたのではないかと思わせた。しかし、それを言う前に指摘されるべきは、やはりそのアンフェアな起用法だ。これではサブ組は潰れる。W杯最終予選の初戦、UAEとの大一番に、代表経験が一度もない大島僚太をいきなり先発させ、半ば潰した一件を、ふと想起した。愛を感じない起用法である。

 サブ組をスタメンに並べたなら、結果は甘んじて受け入れろと言いたい。ハリルホジッチはいったい何を大騒ぎしているのか。それこそがハイチ戦の一番の問題だ。選手より、分析力に欠ける監督の方が心配になるのである。

杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

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【サッカー】<杉山茂樹  >「柔よく剛を制する」ハリルホジッチに学習してほしい日本スポーツの基本気質
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