アルゼンチンのメディアに対して沈黙を守ってきたアルゼンチン代表FWリオネル・メッシが、W杯出場を受けてついに口を開いた。地元メディア『Tycスポーツ』やスペイン『ムンド・デポルティーボ』などが報じている。

 南米予選は残り1試合で、2位ウルグアイ(勝ち点28)から7位パラグアイ(勝ち点24)まで勝ち点4差と大混戦。最終節の結果次第で順位が大きく変わる可能性があった。そんな中、W杯出場圏外6位のアルゼンチンは10日、W杯出場を懸けて8位エクアドルと対戦した。

 エクアドルの首都・キトで行われた一戦は、標高約2800mの高さにあり、アルゼンチンにとってW杯予選直近3戦の成績が2敗1分となっているだけでなく、最後に勝利を飾ったのは2001年と“鬼門”の地だった。緊張からか硬さがみられたアルゼンチン。開始わずか38秒でまさかの失点を喫し、嫌な雰囲気となったが、その流れを断ち切ったのはメッシだった。

 まずは前半12分、MFアンヘル・ディ・マリアとのワンツーから左足アウトで流し込み、先制点。さらに20分、ディ・マリアのパスのこぼれ球を拾ってPA左から豪快な左足シュートを突き刺し、一気に逆転に成功する。後半17分には、ドリブルから味方をおとりにして自ら左足シュートを沈め、ハットトリック達成。“運命の一戦”で3-1の勝利に大きく貢献し、3位で12大会連続17回目のW杯出場に導いた。

 現地メディアなどでは、メッシを“神”と称え、「神よ、ありがとう」「メッシの魔法がアルゼンチンをW杯へ」「メッシが神の域に」と伝えた。また、英『スカイ・スポーツ』はメッシに「10」 の満点を与え、「国際サッカー史上最高の個性を披露した」と称賛した。

 試合後、ユニフォームをスタンドに投げ入れるなど喜びを爆発させたメッシ。代表戦では「僕らアルゼンチン代表はメディアに喋らない」と語った11月ぶりにメディアの前で口を開き、「僕たちはキックオフ直後に先制され、事態はさらに難しくなった。でも、幸運なことに全て上手くいったね」と安堵した様子。

「僕たちは3大会連続(ブラジルW杯、コパ・アメリカ)でファイナルへ勝ち進んだのに批判があった。アルゼンチンをW杯に連れて行くことは義務だった。自分たちが何で(予選で)苦しんだかわかっている。もし敗退していたら、どうなっていたか分からない。(アルゼンチンが)W杯に行けないなんてクレイジーだ」

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171011-01645043-gekisaka-socc