このマッチメイクが発表されたのは9月に行われたワールドカップ予選の終了後。

これだけ直前になったのは8月、9月に行われたアジア3次予選の結果次第では10月の代表ウィークに4次予選が入る可能性があったからであるが、ファンの間ではその対戦相手を疑問視する声が少なくなかった。

日本のFIFAランキングが40位であるのに対しニュージーランドは113位、ハイチは48位だ。所属する連盟では一定の結果を残しているもののともに日本より下位のチームであり、決して「強豪」というわけではない。

苦手としていたオーストラリア相手に完勝を収めた後ということもあり、この決定については「もっと強い相手と対戦すべし」という意見は多く聞かれた。もちろん、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督としても強豪との試合を求めていたはずだ。

では、なぜ日本サッカー協会この10月にFIFAランキングで“格下”とのマッチメイクを実現させたのだろうか?そこには、協会ではどうしようもない理由があった。

1. 「ワールドカップ予選」が終わっていない

まず前提として、全世界的にワールドカップ予選はまだ行われているという現状がある。

本戦出場を決めたことで、日本ではなんとなく「ワールドカップ予選は過去のもの」という雰囲気がある。もちろんこれはある意味で真であり、これからは来年6月に行われる本大会を意識した強化を行わなければならない。

しかし、世界的に見ればワールドカップ予選は今が佳境を迎えている段階で、プレーオフを除く全日程が終了しているのはアジアとオセアニアのみだ。

ヨーロッパや南米ではこの10月にそれぞれ2試合の予選が入っており、そもそもそうした地域のチームとこの10月に強化試合を組むのは理論上不可能だったのだ。

2. アフリカ勢と組めない理由

ヨーロッパと南米を除けば、確かに他の候補は出てくる。

たとえばアフリカでは10月の代表ウィークにワールドカップ予選が1試合しか入っておらず、もう一方の日程で親善試合を組むことができそうだ(1つのインターナショナルマッチウィークに開催できる試合は最大で2試合)。

アフリカには日本よりFIFAランキング上位の国が3つもあり(エジプト、チュニジア、セネガル)、2014年のワールドカップで苦杯をなめたコートジボワールだって強化を図る上で絶好の対戦相手だ。

しかし、ここで一つのレギュレーションが関係してくる。

実はインターナショナルマッチウィークであるチームが2試合を行う場合、それらの試合は共に同じ連盟下の会場で開催されなければならないのだ。

つまり、日本が一方の試合をホームで開催した場合、もう一方の試合は同じアジア(正確に言えばAFC圏内)で行わなければならないということである。

その証拠に、インターナショナルマッチウィークにワールドカップ予選が1試合だけであった際、日本はもう一方の試合で必ず同じアジアのチームと対戦していた(昨年11月にオマーンと、今年6月にシリアと対戦)。

そうなると、10月にアフリカ予選が予定されている16チームを日本に呼ぶことは少なくともできない(アフリカでの予選があるためレギュレーションに違反)。

もちろん、アフリカに飛んで親善試合を組むこともできたが、もう一方のマッチメイクやスポンサーのことを考えると現実的ではなかっただろう。

そう考えると、日本がホームに呼ぶことができた対戦チームは非常に限られてくる。

つづく

2017年10月6日 19時0分 Qoly
http://news.livedoor.com/lite/article_detail/13714490/