公共放送のNHKで、選挙取材の最前線にいた31歳の記者が過労死していた。愛する娘を失った遺族は、過労死の事実を局内で共有し、再発防止に全力を尽くすようNHKに求め続けてきた。

6月14日都議選告示、23日投開票。7月4日参院選公示、21日投開票。NHK首都圏放送センターで都政を担当していた佐戸未和さんは2013年夏、立て続けに選挙の取材に走り回っていた。遺族によると、候補者と陣営関係者への取材、演説の撮影や録音、候補者の獲得票数を局内で予想する「票読み会議」への出席などで多忙を極めた。

参院選の期間中に計3回、夜7時から全国放送される「ニュース7」などで東京選挙区の選挙戦をリポートしていた。死亡したのは、参院選の投開票から3日後の7月24日ごろ。同月末に横浜放送局への異動が決まっており、前日の23日は勤務終了後に送別会に参加していた。翌24日未明に都内の自宅に帰宅した後に倒れたとみられる。佐戸さんと連絡がつかないのを不審に思った親しい友人が25日に自宅を訪れ、ベッドで倒れているのを見つけた。

渋谷労基署の認定によると、死… 残り:1945文字/全文:2400文字

13年7月に亡くなったNHK記者、佐戸未和さん(遺族提供)
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記者が過労死で労災認定を受けていたことを伝えるNHKのニュース=4日午後9時30分
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配信2017年10月5日05時00分
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