日本代表は4日、親善試合のニュージーランド戦(6日)を想定した戦術練習を、会場となる豊田スタジアムで冒頭の15分以外は非公開で行った。MF小林祐希(25)=ヘーレンフェーン=は、歌手の郷ひろみ(61)と同じメンタルトレーニングを導入。“オレ流”アピールでロシアW杯メンバー入りを目指す。3日夜には宿舎でバヒド・ハリルホジッチ監督(65)が、2015年3月の就任会見と同じ「オールジャパン」でW杯を戦い抜くというメッセージを送ったことも分かった。
小林が俺流アピールを誓った。「俺は本田の後継者でも、長谷部の後継者でもない。俺は小林祐希。俺は俺らしくやりたい」。ニュージーランド戦の背番号は普段は長谷部がつけている17に決定。本田がつけ、かつて磐田で背負った4も期待されたが、迷わず「自分は自分」と言い切った。
8月のW杯最終予選・オーストラリア戦から続けて招集されているのはハリル監督の期待があるから。この日の戦術練習では、途中から主力組でプレーした模様だ。自身の長所である「シュート、スルーパス、ドリブルを仕掛ける思い切りの良さ」を、2試合でアピールするつもりだ。
昨年11月からメンタルトレーナーの本田ゆみ氏と契約。脳医科学に基づく脳の特性などを数値化した「脳スタイルテスト」を行い、それに応じて脳機能を活性化する「ブレインストレッチ」と呼ばれる瞑想(めいそう)を朝と夜の2回行っている。郷ひろみも行っているトレーニングで、その成果もあって「ファーストプレーでトラップミスしたら、フィーリングが悪いって思う。でもサッカーは足でやるスポーツ。ミスするのは当たり前」と、ポジティブに考える。
メンタルトレの導入当初は75だったストレス耐性が、現在では「100人に1人いるかいないか」(本田氏)という100にまで到達。自我観察力も発達し「イラっとした時も『自分がイラっとしたな』と客観的に自分を見られる」と何事にも動じず、俺流を貫ける精神力が育っている。
W杯への「サバイバル」が強調される現在の状況にも、「点とかアシストとか結果を求めすぎても、チームとして勝たないと意味がない」と献身性を持っている。「チームの中でどう生きるか、生かされるか」。鍛え抜いた左足と鋼のメンタルで、ハリル・ジャパンに勝利への魔法をかける。(恩田 諭)
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