【江尻良文の快説・怪説】

 「日本ハム球団は本当に最後の最後まで何を考えているのか。今頃になってシーズン終了後に大谷の右足首手術だなんて。11月の侍ジャパン出場を辞退するための言い訳だろう」

 球界OBがこう怒るのも正論だ。日本ハムOBで今も球団に籍を置く、野球日本代表の稲葉新監督が、指揮官としてのデビュー戦となる「アジアプロ野球チャンピオンシップ2017」(11月16日〜19日=東京ドーム)に大谷も招集したいと、11日の記者会見で表明したばかり。その答えが「シーズン終了後に右足首手術」というワケだ。

 そもそも、3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場辞退した理由が右足首痛だった。「あの時に手術していれば、なんの問題もなかったんだ。開幕には間に合わなくても、シーズンを通せば二刀流でそれなりの結果は出せたはずだし、チームも首位ソフトバンクから38ゲーム差の5位なんて体たらくにはならなかったはずだ」という球界OBの怒りは筋が通っている。

 しかも、WBC辞退の際に日本ハムは、日本野球機構(NPB)に伝える前に勝手に発表し、ひと騒動を起こしている。球界関係者の間では「WBC騒動の一件に対する謝罪、OBの侍ジャパン・稲葉新監督の門出を祝うためにも、日本球界最後の仕事として大谷は出場すべきだろう」との筋論が噴出していたのだ。

 そんな球界世論に、新たな怒りの火をつけたのが、メジャー16球団32人の編成担当が詰めかけた12日の楽天戦(札幌ドーム)の先発登板だった。

 今季最速163キロを記録して勝利投手になったが、球界OBの1人は栗山監督の起用法を一刀両断。「メジャー球団に対して、“大谷は投げられます”というデモンストレーションでしょう。ハッキリ言って不愉快ですよ。勝つために選手は一生懸命やっているのに」と吐き捨てた。

 さまざまな騒動や問題を起こした日本ハムの大谷管理法。このまま大谷が米球界に移籍すれば、昨季の日本一で得た「年俸が高くなれば、FAでも引き留めないし、トレードで出すこともする。情にとらわれず、ビジネスライクなメジャー流の球団経営の成功例」との評価も暴落するだろう。(江尻良文)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170919-00000016-ykf-spo
9/19(火) 16:56配信