https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170917-00000006-nkgendai-ent

 民放各局が悲鳴を上げている。北朝鮮がミサイルを発射するたびに、報道特番を編成しなければいけないためだ。15日朝もミサイル発射とともに、政府から全国瞬時警報システム(Jアラート)が発動され、対応に追われた。特に影響を受けるのが生放送の番組だという。

「ニュース番組ならまだいいのですが、北朝鮮がミサイルを発射するのは不思議なことに各局がワイドショーを放送している時間帯にぶちあたる。最近の情報番組は視聴率を取るためにエンターテインメント要素が7割以上を占めているが、Jアラートのたびに予定していたネタが全て飛んでしまうんです」(民放関係者)

 実際に大打撃を食らったのが日本テレビ系「ZIP!」だった。Jアラートが発信された15日は、16日に最終回を迎えるドラマ「ウチの夫は仕事ができない」をプッシュする“電波ジャックの日”。ところが、Jアラートの影響で予定が飛んでしまったという。主演する関ジャニの錦戸亮や松岡茉優もスタンバイしたまま出番はなし。編成や制作スタッフは大混乱になったという。

■CM出稿料に影響も

 NHKでも、ミサイル発射の報道のため、有村架純がヒロインを務める朝ドラ「ひよっこ」の放送が休止となってしまった。楽しみにしていたファンは残念だろうが、公共性の強いNHKならまだ分かる。だが、民放にとっては本当に悩ましい問題だという。ある民放のプロデューサーはこう恨み節をぶつけた。

「これで視聴率が取れるならまだ、救われるんです。しかし、そういう時はみなNHKを見る。今後、このJアラートが発信し続けられると思うと先が思いやられる」

 日本政府は今後も事態が変わらない限り、北朝鮮はミサイルを撃ち続けると想定している。当然だが、NHKをはじめとする民放各局も政府に連動する形で、情報を発信しなければならない。そんな状況下にあって懸念されるのが、CMの売上額だという。

「毎回、Jアラートが発信されるたびに番組構成が大幅に変更になる。スポンサーはいまでこそ何も言ってこないが、Jアラート発信が常態化した場合、CM出稿料の値下げを通告されるかもしれない。その損害額は数十億円に達する可能性もある」(前出の民放関係者)

 Jアラートに関しては一部で不要論も出ている。再考も必要ではないか。