■コーチが選手に謝罪

そんな両監督の亀裂を決定的にする事件が起きていた。

「あるコーチがミスした選手に珍しく『しっかりやれよ』と怒ったのです。すると掛布監督はそのコーチを選手の前で叱責し、頭を下げさせた。
ますますコーチ陣は選手に厳しいことが言えなくなってしまったそうです。この一件はすぐに金本監督の耳に入ったといいます」(テレビ関係者)

金本監督と掛布二軍監督の指導方針は、どちらが正しいとか間違っているとかいう問題ではない。
例えば、広島の主力になった田中、丸、菊池、鈴木、安部などは、今でも12球団一の練習量を誇る広島だからこそ、大きく育ったともいえる。

 一方、二刀流の大谷(日本ハム)やトリプルスリー男の山田(ヤクルト)が、怒声や鉄拳指導で今のような一流選手になったかは疑問だ。
金本監督は、解説者時代の掛布氏の打撃理論に共感を覚え、自ら希望して二軍監督に据えたが、最後は水と油になってしまった。