あの人はいま
元甲子園優勝投手 藤浪 晋太郎さん(25歳)

2019年、ワールドシリーズ。 それを、テレビで見つめる男がいた。18歳で将来を嘱望され阪神タイガースへ入団した、藤浪さんは今…。
「あの頃は若かったですね(笑)」若き日を回想する藤浪 晋太郎は、どこか寂しげだ。
「未だに当時の夢を見ることがあるんですよ。ワールドシリーズで、俺が完封して活躍する夢を」タイガースを退団後、四国ILに活躍の場を求めた。
その後、故障がちになり若手や新加入選手の台頭に押され目立った活躍はできず24歳の若さで引退を決意。
今はたこ焼き屋を営む傍ら、地元の少年野球のコーチを勤めている。暖簾の屋号の文字は元タイガース、和田監督の手によるものだ。
「いらっしゃい」。古市駅東口から歩いて3分。
「たこ焼き 骸骨」のえび茶色の暖簾をくぐって店内に入ると白いタオルを頭に巻いた藤浪 晋太郎さんと妻、彩さんの元気な声に迎えられた。
「去年の4月にオープンしました。暖簾の『骸骨』という文字は和田監督に左手で書いていただいたものだし、開店に合わせてスポーツ紙やテレビでも取り上げてもらった。
おかげで、県外から足を運んでくださるお客さんが多かったのはうれしかったですね」とはいえ、その分、プレッシャーも大きかったという。
「たこ焼き好きは飛行機に乗って本場・大阪まで食べ歩きに出かける時代でしょ。ボクが修業した難波の老舗『わなか』のものは白味噌がベースなのが特徴だから醤油
築地銀だこのような揚げたこ焼きだと信じ込んでる関東人にはモノ足りないようなんです。それで怒られちゃったこともあるけどそれも修業のうち。我慢、我慢です」
かつてのライバルで現ドジャース所属の大谷について尋ねると…「あいつら俺より勝ってなかったんですけどね(笑) 」と、おどけ
「監督に気に入られるのも才能だと思いました」
「怪我さえ無ければって…歯がゆいですけど」「今はもう現役に未練はありません。今度は教え子でサイヤングを狙いますよ(笑)」
(写真)たこ焼きを手に持つ藤浪さん