焼き豚は、「若者も年を取れば演歌や時代劇が好きになるように、
今はサッカーだバスケだと言ってるガキも年を取ればちゃんと
野球ファンになる」 …なんていう世迷言をよく本気で語る。

しかし年をとって野球を見たり演歌が好きになる世代っていうのは、
ガキの頃から野球や演歌や時代劇の中で生きてきた、いわば
焼き豚のDNAを体内に育てていた世代だ。
反発はしても知識も思い出もあるから、年を取ったら身体の中に
眠っていた記憶を懐かしく感じて深入りすることもあるだろう。

しかし今の50代っていうのはサザンをデビューから知っている
人間で、それより下の世代は演歌なんかフィンランドの民謡並みに
関わりが無い。時代劇なんかも見たことすらなくて、刑事ドラマしか
知らないっていう人間が大半だろう。

年を取って突然フィンランド民謡に目覚める人間がいないように、
もうこれからの若者は、野球なんてものに一生関心が無いまま
成長し死んでいく世代なんだよ


ちなみに今の60代は大人の娯楽は演歌だ時代劇だというけれど、
実は戦前から戦後すぐに日本人を一番熱狂させていた娯楽は
「浪曲」
「講談」
だった。

じゃあ今の50代が年を取ってきたからと言って講談を聞きに行くか?
ないだろう?

ただ年を取ったからといって、子供の頃に接してもいなかったものに、
突然興味を持つなんてことは、ありはしないんだよ。
野球は講談浪曲並みに骨董品化するだけのこと。