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この病気の原因はわかっているのですか?(病因)
 
これまでさまざまな検討が行われてきましたが、
線維筋痛症の原因は現状では明らかではありません。
疼痛を訴える部位(関節、筋肉、腱、内臓など)には明らかな異常が見いだせず、
この病気の疼痛は帯状疱疹後の神経痛、糖尿病性神経障害時の疼痛やがん性疼痛のような神経障害性(痛み情報を伝達する神経経路の障害)疼痛であり、
また脳における痛みの情報の処理に障害のある中枢性疼痛です。

この病気の痛みの仕組みとして最近注目されているのは、この病気発病の素因をもった人に各種身体的、
精神的ストレス反応が加わることによって、痛み刺激の伝達路(疼痛知覚神経)の過剰興奮(車のアクセルの踏み込み状態)と痛みを脳が認識した時に反応する痛みを抑える経路(下行疼痛抑制経路)の機能不全(車のブレーキが効かない状態)であり、
いわば車のアクセルが踏み込まれ、ブレーキの効かない暴走状態です。
したがって、治療もアクセルを戻す(痛み神経の過剰興奮を抑える)薬剤やブレーキ機能を高める(下行性疼痛抑制系の賦活)薬剤が使用されます。