◆中日3―4広島(10日・ナゴヤドーム)

 中日が今季6度目の同一カード3連敗を喫し、借金は最多を更新する19まで増えた。

 先発の小笠原慎之介投手(19)が6回7安打1失点と粘投し、勝利投手の権利を得て降板したが、
7回に救援陣がつかまった。志願の2軍調整から20日ぶりに復帰し、4年ぶりの50試合登板を達成した
2番手・岩瀬仁紀投手(42)が松山に同点2ランを献上すると、3番手の又吉克樹投手(26)が
2死から西川に決勝適時打を浴び、今季37度目の逆転負けを食らった。

 今季4勝目をフイにされた小笠原は
「勝負所で抑えられたので良かった。四球が多かったのですが何とか抑えられた」と、コメントに
一定の満足感をにじませた。

 しかし、そんな19歳左腕を
「(負けたのは)慎之介のせい」と激怒したのはた武山真吾捕手(33)だった。2回、
カーブの制球が利いて無死一塁からエルドレッド、安部、バティスタを3者連続三振に抑えたが、
それが“間違いの元”だった。

 武山は4回、安部に同点打を浴びた直後、小笠原を
「オマエ、何やってんの? そんなんなら自分で(配球を)やっていいよ!」と叱り飛ばしたという。
「アイツ、きょうはカーブがいいからって、カーブばっかり投げたんです。チェンジアップのサインを
出しても、内角への直球のサインを出しても首を振る。だから試合前半で布石が打てなかった。
そのシワ寄せが岩瀬さんに来た」とベテラン捕手は、いら立たしげに振り返った。

 序盤に主力打者の内角を攻めて内角を意識させることで、終盤に「空いている外角」(武山)で
料理しやすくなる。たとえ先発投手が降板しても、その布石は救援投手陣に引き継がれる。しかし、
この日は小笠原の“わがまま”で、その伏線が張れなかったと、武山は力説した。

 果たして、7回に岩瀬は、先頭・丸にカウント3ボール1ストライクから、内角の直球を2球続けて
簡単にファウルされた結果、四球を選ばれた。続く松山には内角のスライダーを右翼席ポール際に運ばれた。
武山は「岩瀬さんは(布石を打ち直すために)『1球どこかで内角に突っ込まないと』と思っていた」と
打ち明ける。しかし時すでに遅く、序盤に内角を攻め切れなかったことで、厳しい球を躊躇(ちゅうちょ)なく
「松山に踏み込まれた」というのだ。

 「きょうに関してはアイツ(小笠原)は前半、いなかったに等しい。自分で(配球を)やるなら、
リリーフに迷惑かけず、最後まで投げろって話です」と武山の憤りは収まらなかった。小笠原とすれば
登板3日前、近藤投手コーチからカーブの投球法を教わり、それが奏功したと手応えを感じていたことだろう。
しかし、その“若気の至り”が、日々の結果に現役続行の是非が左右される岩瀬を悲劇へと導いてしまった。

スポーツ報知
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