そもそも、打者は勝敗に関係なく安打数だけでカウントされるのに、投手は勝利数とセーブ数という“チームの勝利”が条件になる。
この点においても不公平さを感じざるを得ない。
ちなみに、250セーブという入会資格は2003年に加えられたものだが、200勝は設立当時のままである。
この基準によって、あとわずかで名球会に手が届かなかった投手も多い。現状を考えれば、勝利数については入会資格を再考してもいいのではないか。

たとえば、200勝という基準を180勝に下げてみると、以下の選手が名球会資格を得ることになる。

長谷川良平(広島ほか)197勝
秋山登(大洋)193勝
松岡弘(ヤクルト)191勝
石井茂雄(阪急ほか)189勝
杉浦忠(南海)187勝
足立光宏(阪急)187勝
小野正一(中日ほか)184勝
西口文也(西武)182勝
石井一久(ヤクルトほか)182勝
斎藤雅樹(巨人)180勝
※石井一久は日米通算記録

 さらに170勝とすれば、新たに5人が加わることになる。

星野伸之(オリックスほか)176勝
成田文男(ロッテほか)175勝
桑田真澄(巨人ほか)173勝
三浦大輔(DeNA)172勝
岩隈久志(マリナーズ)170勝
※岩隈久志は日米通算記録

現在、名球会会員は64人がおり、その内訳は投手が16人、野手が48人となっている。
2000年以降に250セーブ以上を達成した救援投手が3人いるとはいえ(佐々木主浩、高津臣吾、岩瀬仁紀)、
今のペースを考えれば、今後、投手と野手の差はますます広がることが予想される。
こうした格差をなくすためにも、投手の入会資格には一考の余地があるのではないだろうか。
鳥谷の2000本安打の偉業を祝福しながら、あらためてそう感じた。