9日に行われたブンデスリーガ第3節でボルシア・ドルトムントはフライブルクからゴールを奪えず、0-0で引き分けた。82%のボール支配率も効果的でなければ意味はなかった。(取材・文:本田千尋【フライブルク】)

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●次々消える交代枠。相手の退場まで逆風に…

 “3つのアクシデント”に襲われた。9月9日、ブンデスリーガ第3節。序盤こそSCフライブルクにカウンターやスローインからの速攻を許したが、15分も過ぎる頃、ボルシア・ドルトムントは落ち着きを取り戻しつつあった。

 しかし、相手の守備ブロックの攻略に入り始めたその矢先、“最初のアクシデント”に見舞われる。そけい部を痛めたマルク・バルトラに代わって、18分、投入されたのはエメル・トプラク。ペーター・ボス監督はCB同士の交代で、早くも1枚目のカードを切ることになった。

 さらに“2つ目のアクシデント”。ドルトムントはボールを持てるが、なかなかブロックの中に縦パスを入れることができない。ワントップのピエール=エメリク・オーバメヤンが、中盤におりてボールを貰い、局面を打開しようする。後方でビルドアップを始めるディフェンスライン。パスを回しながら、タイミングを見計らう。トプラクに出して、またボールを受けるマルセル・シュメルツァー。

 27分、その右足首を、ヨリック・ラヴェの悪質なタックルが襲う。復帰したばかりの主将は、担架で運び出されて負傷退場となった。ラヴェに主審はイエローカード。シュメルツァーの抜けた左SBには、ダン=アクセル・ザガドゥが緊急起用される。誤算の連続。31分、ボス監督は2枚目のカードを切らざるを得なかった。まだ31分だ。 

 そして“最後のアクシデント”。29分、ビデオ・アシスタント・レフェリーの判定により、ラヴェはレッドカードを提示される。一発退場となった。一見するとフライブルクにとって不利なこのジャッジは、試合終了までドルトムントに重くのしかかることになった。

●ベンチから試合を見守った香川が感じた課題

 ベンチ入りはしたが、出番のなかった香川真司は、端的に試合を振り返る。

「逆に10人になったんでね。まあ、でもこっちのアイデアもなかったかなあ、と」 
 フライブルクは「10人になった」ことで、割り切って引いて、ゴールの前を固めてきた。そうやって耐え忍ぶ敵を崩せず前半を0-0で折り返すと、後半に入っても、試合展開は変わらない。恥も外聞もかなぐり捨てて籠もるフライブルクに対して、圧倒的にボールを保持するドルトムント。試合が終わると82パーセントの支配率を記録したが、結局ゴールを決めることはできなかった。後半だけで18本のシュートを打ったにもかかわらず。試合は0-0のスコアレスドローに終わった。

 香川は「チームとして攻撃の形がなかなか上手くいっていないのかな」と感じた。

「この1試合に限らず、まあ、この3試合を見ても、もっとアイデアであったり、攻撃の質を高めていかないと、ちょっと、攻撃のバリエーションがなかったのかなと思いますけど」 

 ドルトムントは79分、新戦力のアンドリー・ヤルモレンコを前線に投入。しかしディナモ・キエフから加入したばかり背番号9は、まだまだチームに溶け込めていなかった。狭いスペースで縦パスをきっちり収める場面もあったが、そこから周囲の連動が始まることはなく、連係の確立はまだこれからのようである。

つづく

9/10(日) 12:31配信 フットボールチャンネル
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170910-00010001-footballc-socc

写真
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