「きつい時に前に出るのが自分の持ち味」

[J1リーグ25節]FC東京1-4C大阪/9月9日/味スタ

 日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督は、ワールドカップ・アジア最終予選のオーストラリア戦に向けたメンバー発表の際に、山口蛍についてこんなことを言っていた。
 
「より攻撃のプレーを見せてもらいたい。身体的な特長やテクニックを考えれば、もっとできる」

 その言葉通り、オーストラリア戦で山口は積極的に前に出て、攻撃に勢いをもたらしていた。代表指揮官の言葉で攻撃の意識が変わったようだが、その姿は日本代表からC大阪に戻ってきたFC東京戦でも見せている。
 
 ボランチでコンビを組むソウザと連係しながら、少ないタッチで攻撃を組み立て、リズムを生む。また、ビルドアップだけでなく、タイミングの良い攻め上がりでチャンスにも絡み、82分のカウンターでは凄まじい勢いで相手ゴールに迫った。
 
「きつい時に前に出るのが自分の持ち味。今日は結構できた」
 
 これまで、どちらかと言えばディフェンス面での評価のほうが高く、黒子役と評されることも多かった山口。だが、持ち味の運動量を攻撃面でも生かすことで、逞しさを増している。
 
 もっとも、チャンスには絡めるようになってきたが、ゴールやアシストといった結果には結びついていない。「(ゴールを)決めたかった」と意欲を覗かせるオフェンス面の成長の先には、理想の選手像があるようだ。
 
「チームでより中心的な存在になる。そうして、引っ張っていく選手になっていかなければ」
 
 まだ発展途上ではあるが、攻撃のレベルアップがされれば、より完成された背番号10になるだろう。
 
取材・文:志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)

9/10(日) 11:30配信 サッカーダイジェスト
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