ロシアW杯最終予選サウジアラビア戦(日本時間6日)の取材に赴いたサッカージャーナリスト元川悦子氏が、現地記者に「11年前にアナタに取材されました」と話し掛けられた。元川氏が、オシム日本代表を追い掛けて06年9月3日のアジア杯サウジ戦を取材した際、情報交換を行った有力紙「AL Eqtisadiah」のハリド・アリ記者にハリルホジッチ日本について聞いた。

 サウジ戦前にアリ記者は「後半から背番号19のFWアル・ムワラドが入ると流れがガラリと変わる。サウジが勝つよ」と堂々と予言していた。

「日本は高温多湿のジッダで移動を伴う中4日のゲームを強いられたが、前半は危ない場面をつくらせずに安定した戦いだった。サウジも前半0―0でOK。(オランダ人の)ファン・マルバイク監督は後半勝負のシナリオを描いていた。爆発的スピードのアル・ムワラドという切り札投入に自信があったからね」

案の定、日本はDF酒井宏樹(マルセイユ)がアル・ムワラドにキリキリ舞いさせられ、GK川島永嗣(メス)も最後のとりでになれなかった。失点場面では30本近いパスを回され、プレスもはまらなかった。無得点黒星はハリル体制初だった。

「前半だけで退いたホンダ(FW本田圭佑=パチューカ)は『かつての日本のエース』という印象だね。今は状態が良くない。フィットするまで時間がかかりそう。オカザキ(FW岡崎慎司=レスター)は得点こそ取れなかったけど、今季プレミアリーグで2点を取っているだけあって動きは悪くなかった。知名度の高い海外組の中で一番良かったのは、ナガトモ(DF長友佑都=インテル)だ。よく走っていたし、ロシア(W杯)でも十分戦えるんじゃないかな」

つづく

日刊ゲンダイ
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