フジテレビ系列が総力を挙げる年に1度の風物詩「FNS27時間テレビ」(9日後6・30〜10日後9・24)は31回目を迎える今年、内容を一新した。お笑いに特化した従来のスタイルから大きく舵を切り、テーマは「にほんのれきし」。

バラエティーをはじめ、ドラマ・アニメ・スポーツなども交え、日本史を掘り下げる。例年7月下旬に生放送で行われてきたが、今年は初の9月放送で、ほぼ収録に。近年、視聴率で苦戦している名物番組だけに、そのチャレンジに注目が集まる。総合演出の竹内誠氏に制作の舞台裏を尋ねた。


 ビートたけし(70)が21年ぶり6回目の総合司会。巧みなトーク力と親しみやすさを持つ関ジャニ∞の村上信五(35)が旅の「キャプテン」として番組進行をアシスト。「れきしサポーター」の林修氏(52)が知識面を担う。メイン通し企画「にほんのれきし博物館」の館長はバカリズム(41)。女優の波瑠(26)が「タビビト」として、たけし、村上と「にほんのれきし博物館」を見て回る。

 日頃は「ワイドナショー」「IPPONグランプリ」などを手掛ける竹内氏が「27時間テレビ」の総合演出を務めるのは2014年以来2回目。14年はSMAPが総合司会。「武器はテレビ。」をテーマに「SMAP×SMAP」の出口敬生氏とともに総合演出を担当。オープニングの「生前葬」やトーク企画「未定」などを生み出し、話題を呼んだ。

 既に今回のテーマは歴史に決まっており、そこから総合演出を任されたのは昨年12月。「僕自身、新しいことに挑戦するのは楽しいので。お笑いの27時間もやってみたかったんですが、新しいトライに任命される分には、やる気が出ました」と創作意欲が湧いた。27時間生放送から大部分が収録になり、その成否が関心事になっている。

 「歴史というテーマで、収録の方が番組としての完成度が高いんじゃないかというのが大きな理由です。新しいことに挑む時、収録でやっちゃいけない理由もないし、逆に売りになるかもれない。『収録番組の段積みなら、普段と変わらないじゃないか』という批判もあるとは思いますが、歴史という縦軸で27時間テレビのパッケージになっていればいいというところですね」

 歴史を扱うだけに、生放送の場合、出演者は「合っているかな?」「間違っていないかな?」と発言に慎重になり「ストッパーがかかってくるところがあると思うんです」。さらに、誤った情報は信用を失う。「出演者みんなのストッパーがかからずに、知っていることを自由に話してもらいながら、精度を上げ、おもしろいところを目指すには、収録の方がよかったと思います」とメリットを口にした。

 「せっかくやるんだったら、あまり歴史に興味がない人にも見ていただきたい」と、顔から見た歴史「【旧石器・縄文・弥生・古墳】日本人ルーツ顔探しの旅 世界で発見!縄文顔×弥生顔」(9日後8:10頃)や、災害から見た歴史「【安土桃山】学ぶヒストリー劇場 大地震と富士山噴火と人々と」(10日前11:05頃)など、さまざまなコーナーを企画した。中でも「大人も子供も、おなかを抱えて笑えるような歴史の切り方」はないかと模索。各コーナーの間のアクセントとして、メイン通し企画「にほんのれきし博物館」をバカリズムと作り上げた。

 例えば、旧石器・縄文・弥生・古墳時代のブース。たけし、村上、波瑠が博物館に入ってくると、出迎えるのは館長のバカリズム。歴史を学ぶ時の素朴な疑問を考えていきたいと「はにわ問題」を提唱。「はにわのポーズってなんなの?」とフリップを出していく。さながら、独特の世界観が展開されるバカリズムのネタを見るよう。疑問に対して実はこうだったんじゃないかという妄想トークと歴史学者による解説で、27時間をつなぐ。フリップ125枚は全部、バカリズム自らが書いた。

つづく

9/9(土) 12:30配信 スポニチ
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170909-00000093-spnannex-ent

写真
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