たった1人だった部員

 【根室】根室高野球部の部員が地域の子どもたちに野球を教える教室「ねむろちびっこ野球団」を開いている。現在4人の部員たちは子どもたちに野球の楽しさを伝え、根室の野球人口を増やそうと取り組んでいる。

<動画>残暑の力走 沿道が支え 北海道マラソン

 ちびっこ野球団は、野球部監督の松井利慎(よしのり)さん(41)と現在市内の建設会社に勤める市橋朋哉さん(19)が昨年7月に始めた。当時市橋さんはたった1人の野球部員。「根室で野球をする子を増やしたい」との思いが2人にあった。
どう教えるか考えることが理解を深める

 松井さんが知人を介して幼稚園児や小学生に参加を呼びかけ、10人ほど集まった。毎週水曜午後5時から6時半まで、根室高グラウンドで松井さんが私費でそろえたスポンジのボールと樹脂製のバットを使い、ボールの握り方やバットの持ち方、キャッチボールなどの基本を2人で教え、ミニゲームも行ってきた。

 ちびっこ野球団は子どもの保護者に「安全で丁寧に野球を教えてくれる」と好評だ。市橋さんは「部活動との両立は大変だったが、子どもたちが楽しんでいるのを見ると、自分も原点に戻って野球を楽しめた」と振り返る。

 野球部には今春4人の新入部員が加入し、ちびっこ野球団の活動は引き継がれた。練習日は今も毎週水曜。幼稚園児と小学1年生の約10人が参加。睦の園幼稚園の高橋和倶ちゃん(3)は「お兄さんたちに教えてもらいながらボールを投げるのが楽しい」と笑顔だ。

 1年生部員の小泉恭(きょう)さん(15)は「子どもたちにどう教えるかを考えることが野球への理解を深め、練習メニューを考えるきっかけになっている」と効果を指摘。「将来、根室高野球部で活躍する子が出てくれればうれしい」と期待する。(今井裕紀)
大会は3校連合で出場

 9月13日に釧路市民球場で始まる第70回秋季全道高校野球大会釧根支部予選(道高野連など主催)には、根室高は夏の高校野球支部予選と同様に3校でチームを組む連合「根室・根室西・標津」として出場する。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170901-00010002-doshin-hok