「コンディション」

 ハリルホジッチ監督が会見で何度も強調した言葉だ。大一番にスペイン1部のヘタフェで20日の開幕戦に先発して躍動した柴崎、Jリーグで得点を量産中の杉本らを選んだ理由といっていい。

 指揮官は“うまみ”を忘れていない。昨年11月のサウジアラビア戦で大迫と久保、3月のアラブ首長国連邦(UAE)戦で今野(G大阪)と、そのときに旬を迎えている選手を抜擢(ばってき)して勝利の原動力にした。「ハイレベルで戦うには調子の良さが必要」と説明した。

 勝てばW杯へのチケットを手にする豪州戦は、互いの力が拮抗(きっこう)する。判断、出足などのわずかな遅れが致命傷になる。体格で不利な日本が勝利をつかむには、個々の選手が力を出し切る状態にあることが不可欠だろう。

 W杯予選で最多の27人を選んだ。監督は「リスクを冒したくない」と説明した。25人を招集した6月のイラク戦では、直前のシリア戦で香川、山口が負傷。強行招集した今野も体調不十分で先発起用できず、中盤が人材不足に陥った。大迫らが不安を抱えるFWには9人を選び、同じ轍(てつ)を踏まない策をとった。

 裏返せば、決戦まで1週間になってもメンバーを固められない“迷い”にも映る。先発は11人。交代枠は3人しかない。「最も状態のいい選手を選びたい」と指揮官。短期間で行う選手の見極めで間違いは許されない。(小川寛太)

http://www.sankei.com/sports/news/170825/spo1708250004-n1.html