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 早くから華々しい世界で活躍。きらびやかな芸能界への未練はないのか。後藤さんは「たとえばテレビで俳優さんを見て『こういう仕事だったらやってみたいな』って今でも、ふと思ったりするんです。でも僕自身、演技が全然できないんでやれないですね(笑)」と素直に明かす。一方で「今まで、そういう仕事をしたことがない人がパートナー。余計な心配をかけるぐらいならしなくていい」と、奥さんに無意味は心配をかけないためにも復帰の意思はない。

 そんな妻との出会いも語ってくれた。「うちの3番目の姉(真希)の旦那さんが、もともと僕の後輩なんです。後輩から電話かかってきて、別の後輩の誕生日会をしているから顔を出してくれないかと言われた。そこで初めて会いました」。一目惚れか聞くと「そうですね」と照れくさそうに笑った。今年の12月で結婚2年目となり、子どもは計画中。姉・真希との関係についても「連絡取ってます。家がそんなに遠くないでので、夫婦同士でご飯に行ったりとかしてますね」と良好だ。

 今の目標は入れ墨への認識を変えること。「まだまだ日本は世間的にも厳しい。印象をよくしていきたいですね」。背中には刑務所内で出会った彫師により、新しい入れ墨も入れている。後悔は「ないですね」とキッパリ言い切り、偏見をなくす活動があれば参加してみたいという。

 現在はクリーンな人間としか交際しかしていないと断言する。悪い関係を断ち切るため、4年ほど前に携帯電話の番号を変更。以降は一切の連絡をしていない。「今は悪いことは全くしてないです。夜遊び? 全然、行かないんですよ」と笑った。奥さんも笑顔で「すぐに帰ってきます」と、仕事後は家に直行していることを明かした。絶妙なタイミングの合いの手に、信頼し合っている関係が伺えた。

 最後に直球で幸せか聞いた。悩むことなく後藤さんは「幸せですね」と笑顔。「今、妻と5匹のワンちゃんと一緒に住んでいる。平日、仕事をして休日になって、仕事終わって家に帰ってきて2人でしゃべったり、ビデオ見ているときが幸せですね」という。その裏にあるのは刑務所での生活だ。「中にいるときは当たり前のことができないんです。好きなときに寝っ転がるだとか、人としゃべるとか」。

 これまでの人生を振り返ってもらうと、後藤さんは「すごい人生だなって思いますね」とぽつり。「芸能界に入った時期が1番、浮かれていた。今、考えるとポンと入って、いきなりいろんな番組に出るなんて普通はできない。事務所の力もあって出られたと思う。そこから普通の一般人になった。で、悪いこともした。結果的に刑務所に入るようになった」と、いろいろなことを思い出しながら静かに話した。

 ただ、刑務所に入った5年半も無意味には感じないという。「5年半は今後の自分の身の振り方を考える期間になりました。ムダにしたと言ったらムダな期間。でも、あのまま何もなかったら、もっとヒドかったかもしれない。あそこで終止符じゃないですけど、そういう風になってよかったって考えますね」と言い切った。

 後藤さんは普通の人ではできないであろう経験を31歳にして多くした。これまでの全てを教訓にしている。人生80年。日の当たる道を歩み始めた後藤さんの人生はこれからだ。