向こうで商売するとなると、ハワイで会社を作って口座を開いて、米国籍を持った弁護士を雇わなきゃいけない。日本で飲食店をやるのともルールが違って勉強になりましたよ。
日本人が商売を始めると、必ず突つかれるんです。保健所の許可を取っていたのにオープン3日目でまた保健所の監査が入ってきて、店を改修しなきゃいけなくなったり。

 でもそれをきっかけにローカルの友達もできたし、向こうのこともいろいろわかってきて、感覚が変わりましたね。
ハワイって夢のリゾートみたいな感じだったけど、地元の福岡に帰る感覚に近くなった。きれいな所も汚い所も全部見えてきましたよね。

 わかったのは日本人って商売が丁寧だなってこと。日本はサービス国家で、すべてに対してやりすぎじゃないかってぐらいサービスしますよね。それこそお辞儀をするとか、向こうにはない。
それをフランクと呼ぶのか、無愛想と呼ぶのかわらないですけど。商売をするための壁が低ければ、日本人はものすごく成功すると思いますね。

 最大の違いはハワイの場合はアメリカだから、ビジネスに情がなくって全部マネーで決まるってこと。口では「いいよ」って言ってくれていても、実際にお金が絡む契約になってくるとおかしなことを言い出したりとか。
従業員も勤務時間が終わるとパッと帰っちゃって、店がどんな状況でも「1時間ぐらい残りますよ」っていう感覚はない。働いているときも、こっちから見ると遊びながらやってる感じ。ちんたらおしゃべりしてて。