この夏随一の“珍種”が出現した。不定期放送(!)のEテレ「香川照之の昆虫すごいぜ!」だ。

 子供向け番組だが、想像を超えたインパクトがある。香川がカマキリの着ぐるみ(その監修も香川)を着用して「カマキリ先生」となり、原っぱや河川敷で昆虫採集にまい進するのだ。

 前回の「モンシロチョウ」編でも、そのテンションはMAXだった。まるで座頭市の仕込み杖のような速さで捕虫網を切り返し、次々とチョウを捕獲していく香川。同時に「モンシロチョウは春を呼ぶ1番バッター。昆虫界のイチローだあ!」と絶叫解説も忘れない。

 またモンシロチョウを指でそっと押さえながら、「この動き、伝わるチカラがたまらない」と子供のように感動していた。香川、いいヤツじゃん。

 そして12日放送の最新作のテーマは「タガメ」だ。昆虫少年のころ以来、なんと40年ぶりの遭遇だった。きれいな水にしか生息しないにもかかわらず、小魚やカエルを食べる、どう猛なタガメ。香川はタガメを殺人犯に、自らをタガメ捜査一課長に見立て、全国の子供たちの助けを借りた大追跡を敢行する。目撃情報が届いたのは栃木県からだ。結局、4時間をかけて全長7センチの大物を「現行犯逮捕」。

 最後は疲労で声もかれ、腰が痛いと正直に告白する51歳の名優がいた。いいヤツな上に、香川すごいぜ! 

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