2017.8.21 05:05

 (セ・リーグ、広島6x−5ヤクルト=延長十回、20回戦、広島13勝6敗1分、20日、マツダ)ヤクルト・真中満監督(46)が今季限りで退任する可能性が高いことが20日、明らかになった。就任1年目の2015年に14年ぶりのリーグ優勝を果たしたが、3年契約の最終年となった今季は、この日の広島20回戦(マツダ)にも5−6でサヨナラ負けして借金33と低迷。レギュラーシーズンの負け越しも決まった。最下位に沈む成績不振の責任を取り、辞意を固めたもようだ。

 敵地・マツダスタジアムで、首位を走る広島にサヨナラ負けを喫し、38勝71敗2分け。32試合を残して、レギュラーシーズンの負け越しが決まった。勝率・349で最下位に沈む中、真中監督が成績不振の責任を取り、今季限りで退任する可能性が高まった。

 現役時代は外野手として16年間、ヤクルト一筋でプレー。現役引退後に2軍監督や1軍チーフ打撃コーチなどを歴任し、2015年に1軍監督に就任した。

 就任1年目は、後半戦から川端を2番に置き、山田と畠山を含めた3人が打撃タイトルを獲得した。投手陣は秋吉やバーネット(現米大リーグ、レンジャーズ)ら救援陣が強固。石川や小川ら先発陣も奮闘し、01年以来14年ぶりのリーグ優勝を達成した。

 しかし、2連覇を目指した昨季は5位。巻き返しを狙った今季の開幕前、真中監督は「優勝を狙えると思っている。オープン戦だけではあるけど、投手陣は先発を含め、ある程度のメドは立った」と話していた。ただ、シーズンに入ると思わぬ誤算があった。

 15年の首位打者、川端が2月に椎間板ヘルニアを発症し、今月中旬に再発。同下旬に手術を行う予定で、1軍出場機会がないまま今季を終えることが確定した。開幕後は畠山や秋吉、雄平、大引ら、主力に故障者が続出した。

 シーズン中には先発の小川を抑えで起用(現在は再び先発)し、野手ではリベロ(前ダイヤモンドバックス3A)を獲得。それでも十分な戦力とはいえない状態が続き、月別の成績で勝ち越しはなし。7月にはチームとして47年ぶりの14連敗(1分けを挟む)を喫した。

 真中監督は3年契約の最終年。開幕前から「集大成、最後のつもりでやっている。過去2年間よりは選手起用など、いろいろなパターンを考えてシーズンに臨める」と覚悟を決めて臨んだシーズンだった。しかし、借金は膨らみ、クライマックスシリーズ(CS)進出も絶望的。低迷した状況を受け止め、辞意を固めたとみられる。

 真中監督が退任することになれば、球団は後任の人選を急ぐことになる。

★この日のヤクルト

 広島戦は延長十回、5−6でサヨナラ負け。38勝71敗2分けとなり、シーズン負け越しが決まった。広島戦も5試合を残し、6勝13敗1分けで負け越し決定。バレンティンの満塁弾などで4点リードの八回に、3番手・石山が2本の2ランを浴びて追いつかれ、最後はルーキが痛打された。真中監督は「本当に一つずつ。ファンはいつも最後まで応援してくれているので、一つでも勝てるように頑張っていくだけ」と前を向いて話した。

★今季のヤクルト

 3月31日のDeNAとの開幕戦(神宮)に9−2で勝つなど4試合を3勝1敗でスタートも、次戦から6連敗と失速。5月30日のオリックス戦(京セラ)から10連敗(1分けを含む)、7月1日の阪神戦(甲子園)からは14連敗(1分けを挟む)と、2度の2桁連敗を喫した。7月26日の中日戦(神宮)では0−10から逆転するなど劇的勝利もあったが、浮上できず。川端、畠山らが長期離脱、バレンティンや小川らも一時離脱と故障者が相次ぎ、山田も思わぬ不振に陥った。

真中 満(まなか・みつる)

 1971(昭和46)年1月6日生まれ、46歳。栃木・大田原市出身。宇都宮学園(現文星芸大付)高、日大を経て93年ドラフト3位でヤクルト入団。勝負強い打撃で4度の日本一に貢献し、2008年に現役引退。通算成績は1368試合に出場、打率.286、54本塁打、335打点。ヤクルトのコーチ、2軍監督を経て14年オフ、監督に就任。就任1年目の15年にリーグ優勝に導いた。1メートル70、85キロ。左投げ左打ち。既婚。年俸1億円。背番号77。

http://www.sanspo.com/baseball/amp/20170821/swa17082105050001-a.html
広島戦の八回に、選手交代を告げる真中監督。険しい表情の続くシーズンだ(撮影・鳥越瑞絵)
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