「サッカーはただクソ真面目にやってもダメ。ずる賢くないと。ジャッジを味方につけてしたたかに。それも人生だから(中略)サッカーは人生の縮図、社会の縮図、人間関係の縮図なの」

 こんな持論をテレビで披露したのが、7月15日の浦和レッズ対ボルシア・ドルトムント戦で初のサッカー解説に挑戦した歌手の小柳ルミ子(65)だ。

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 かつては大澄賢也とのドロ沼離婚劇などで世間を騒がせた小柳だが、実は02年日韓W杯で巻き起こったベッカムフィーバーを機にサッカーにのめり込み、今や筋金入りのサッカーマニアに“転身”。年間2150試合以上をテレビ観戦、それを記録したサッカーノートは膨大な数に上るという。

「サッカー好きを公言するタレントは数多くいますが、彼らにとっての鬼門が外国人選手の名前。その点、小柳さんは完璧で、解説ではドルトムントのギリシャ人DF・パパスタソプーロスの名前も滑らかに発音していて、こんな地味な選手まで把握しているんだと感心しましたね」(スポーツ紙記者)

 知識だけではなく試合の分析も玄人はだしだった、と指摘するのはサッカーライターの栗原正夫氏だ。

「『槙野(智章)の守備が軽い』と再三指摘していて、その通り浦和は槙野のミスから連続失点。さらに、『(ドルトムントのFW)シュールレが決めそうなのよねえ』との言葉通り、決勝点を挙げたのはシュールレでした。

ゴールシーンで『(浦和のGK)西川は倒れたらダメ。シュールレはニア(へのシュート)が得意なんだから』と語ったのには、唸らされました。サッカー記者でも年間観る試合は2〜300程度。2000試合以上観戦と聞いて初めはウソだろうと思いましたが、本当かも、と思わせるだけの含蓄がありましたね」

 小柳のブログを覗くと歌手やテレビ出演についての記述は僅かで、ほとんどがサッカー記事で埋め尽くされている。“本業・サッカー観戦”となっている自負からか、テレビ解説ではこんな発言まで飛び出した。

「悪いけど、さんまさんと比較しないで欲しいくらい(サッカーの試合を)見ています」

つづく

文春オンライン8/19(土) 7:00配信 
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170819-00003795-bunshun-ent