サッカーJ2は第28節の16日、各地で11試合を行う。モンテディオ山形は午後7時から長野県松本市の松本平広域公園総合球技場で13位松本と対戦する。山形は前節金沢戦に勝って2連勝とし、10位まで浮上。J1昇格プレーオフ出場圏内(6位)との勝ち点差はわずか1。今後を占う上でも重要な意味を持つアウェー戦だ。守備堅い松本、前節は5失点 松本は前節、名古屋に5失点で敗れた。山形の木山隆之(たかし)監督は、松本が試合前半の先制機を逃した点に触れ「決めていれば結果は変わったと思う。松本は守備が堅いチームだということを忘れてはいけない」。以前に山形でプレーしたFW高崎寛之らはもちろん、名古屋戦で左サイドを鋭く突破した新顔のDF下川陽太は注意したい存在だ。

 松本は敗戦から立て直そうと士気が高いはず。加えて「海外のような盛り上がり」(木山監督)のスタジアムの雰囲気も障壁となる。指揮官は「アウェーで勝ち点3を取ると意思統一し、90分間戦いきる」とした上で「最悪でも勝ち点1は持ってくる。そのくらいの泥臭さは必要だ」とも語った。

 勝敗のポイントはやはり先制点か。山形は松本の強みのセットプレーでマークを徹底し、手堅く試合を運びたい。前節の得点シーンのように、FW阪野豊史を周りが追い越してチャンスを広げたい。MF安西、存在感増す19歳 ○…J1柏から育成型期限付きで加入したMF安西海斗の存在感が増している。7月に加入してから1カ月が経過し、既に3試合で先発出場した。「どの試合のプレーも満足はしていない」と貪欲な姿勢が頼もしい。

 前節金沢戦は主将のMF本田拓也とボランチでコンビを組みフル出場。本田と共にセカンドボールを回収し、相手に流れを渡さなかった。「もっと前にボールを運べれば良かったし、もっと周りのカバーもできたと思う」と試合映像を見た反省を忘れない。

 プレーも取材対応も、19歳とは思えない落ち着きが印象的。自身は松本とは対戦経験がなく、相手を「未知」と表現するが「いつも通りにやればおのずと勝ちがついてくる」と涼しい顔。熱狂的な松本サポーターがつくりだす敵地のムードにも、気後れすることはなさそうだ。新加入のDF西村が抱負 ○…J1新潟から期限付き移籍で加わったDF西村竜馬が15日の練習後、チームのクラブハウス(天童市)で記者会見し「対人守備とヘディングは負けない。山形のためにやる」と抱負を語った。

 身長185センチのセンターバック。新潟のユースを卒業した後、ブラジルのチームで1シーズン武者修行した経歴を持つ。練習でも試合同様、味方同士で激しくプレスを掛け合う環境で「精神的に強くなれた」と西村。優れた技術を持つFWを止める守備に加え、故意に体をぶつけるなどして挑発してくる相手との駆け引きも学んだ。

 「山形には同じポジションにすごい選手がいる。すぐに抜くのは難しいが、自分の成長につながる」と競争にも意欲をのぞかせる。山形の街の印象は「まだこれから」だが「お店などにモンテディオの旗や選手のサインがある。新潟以上に地域の応援を感じる」と笑顔を見せた。

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