「聖・聖対決」、同じ宿舎で「若干気まずい」 高校野球
大山稜2017年8月13日9時54分
http://www.asahi.com/sp/articles/ASK8D3RCWK8DTNAB001.html

 聖心ウルスラ(宮崎)は15日の甲子園第4試合(午後3時半開始予定)で聖光学院(福島)と対戦する。
1回戦の「九州勢対決」で早稲田佐賀を破って迎える2回戦は、校名に「聖」の字がつく学校同士。宿泊先も同じだ。

 「体でかいな」。聖心ウルスラの選手は開会式の前の段階で、聖光学院の選手たちを知っていた。
両校の宿舎は大阪市内の同じビジネスホテルだからだ。駐車場にはそれぞれの専用バスが並び、ロビーには両校の活躍が載った新聞記事の切り抜きが貼り出されている。
 抽選会前には「当たったらよろしくね」と談笑し合っていた選手もいたが、2回戦でぶつかる組み合わせに。そして初戦を突破した両校は対戦相手として顔を合わせることになった。
聖心ウルスラの園田玲久選手(2年)は「勝利後は『おめでとう』と声を掛け合ったけど、今はエレベーターで会うと若干気まずいです」と苦笑いする。

 両校はユニホームも似ている。それぞれ青系の色に黄色の縁取りで、「聖心」「聖光」と漢字2文字が胸に横書きで書かれている。選手からは「洗濯ものを取り違えたらどうしよう」と冗談を言う声も出ている。
 校名に入る「聖」の字は、両校ともにキリスト教が由来している。
 「ウルスラ」はカトリックの伝説に登場するキリスト教徒の聖女の名前。同校はイタリアの教育修道会「聖心のウルスラ宣教女修道会」が設立母体で、女子校「緑ケ丘学園高等学校」として誕生し、2002年の共学化に伴い現在の学校名へ改称した。

 聖光学院はプロテスタント系。野球部は11年連続出場の常連校で、今年は地元出身の有力選手が集まっている。なかでもエース斎藤郁也投手(3年)は直球とチェンジアップを同じモーションで投げ分ける。おかやま山陽との初戦では12奪三振で完封した。
 聖心ウルスラの小田原斉監督は「聖光は素晴らしいチームだが、向かっていく気持ちが一番大事。負けない、逃げない気持ちで胸を借りるつもりでいきたい」と健闘を誓う。(大山稜)