ちょっと前まで、「籍を抜いたことに対して慰謝料数千万」は頭おかしい、と思っていたけど、こういうことなのかも。

1. TENNが自殺したことと上原の行動に因果関係があれば、TEENは損害賠償をできる。
この損害賠償請求権は遺族に継承される。したがって、遺族は上原に対して損害賠償を請求することができる
(それが裁判で認められるかどうか、認められたとしていくらになるかはここでは置いておく)。
2. この記事の書き方だと、「籍を抜いたこと」に対して解決金として損害賠償請求しているように見えるが、
法的には「名字を戻す」と「籍を抜く」のあいだにはなんの関係もないし、遺族が上原が籍を抜いたことに対して
怒る権利は法的には存在しない。
3. 上で書いたように、遺族の怒りは法的には無意味だが、しかし、この怒りをきっかけとして
(名字を戻さないのはTEENに対する贖罪と遺族は理解したのかもしれない)、1で述べた損害賠償請求権を
遺族が行使することになった、ということは考え得る。このような行使のきっかけが何であるかは、法的には、別段他人があれこれ言う話ではないということになる。
ついでにいうと、不法行為による損害賠償請求権は(事実を知ったときから)3年で消滅時効にかかるので、
(おそらく遺族が遺書を知ったのはTEENの死去すぐだろうから)このタイミングで請求しないと、もう請求できないと
判断した可能性も少しあるかもしれない。