夏の恒例番組となっている日本テレビ系列「24時間テレビ 愛は地球を救う」(8月26、27日)が今年で40周年を迎える。東京スポーツがりゅうちぇるが内定したと報じる中、7月30日に放送された同局系「行列のできる法律相談所」では、今年のチャリティーマラソンランナーが放送当日に発表されることが明らかになり、インターネット上を中心に話題を集めている。

 そんな同番組は、1978年(昭和53年)にスタート。

 第1回の総合司会は、萩本欽一、大竹しのぶ、大橋巨泉、竹下景子で、チャリティーパーソナリティーは、ピンク・レディーだった。

 今でこそ“チャリティー”という言葉や意識は世間に浸透しているが、当時はまだ一般的ではなく、番組制作サイドも手探り状態での立ち上げとなったという。それでも、11億円以上の募金が集まったが、当時を知る同局のOBはこう語る。

 「あの頃はまだ24時間、終夜放送というのが珍しく、夏休みということで、どこまで寝ずに見ていられるかにチャレンジしていた子供も多かったようです。欽ちゃんをはじめ、直接芸能人に募金を手渡せるかもしれないというワクワク感が、番組が盛り上がった要因にもなりました」

社会貢献の裏で批判と疑惑が続出

 大型チャリティー番組として幸先の良い船出となった同番組だが、放送回を重ねるごとに好評価の声が挙がる反面、批判も噴出するようになる。

 「海外ではチャリティーとなると、どんな大物有名人でも無償が当たり前。しかし、24時間テレビの場合は、視聴者に募金を呼び掛ける一方で、出演者には高額なギャラが支払われているのではないかという疑惑が週刊誌をはじめ、一部で報じられるようになりました。また、障害者にスポットを当て、その実情を広く伝えるのは非常に意義があることではありますが、近年はやたらと彼らに何かをチャレンジさせ、感動の押し付けが目に余る。先に感動ありき、お涙頂戴では見ている方もしらけてしまう」とは芸能評論家・市川大介氏。

 “感動の押し付け”という点では当の障害者や他局からも批判があるようで、昨年に24時間テレビの裏で放送されたNHK Eテレの「バリバラ〜障害者情報バラエティー〜」では、「検証!『障害者×感動』の方程式」と題した企画を展開し、障害者の頑張っている姿を「感動の対象にする」番組制作の手法の是非を問う内容を放送して反響を呼んだ。

 「まだまだ成熟してはいないが、今は社会全体で多様性を認めていこうという流れになっている。『バリバラ』はそうした時代の中で、“障害者”と“笑い”で彼らの日常や本音をすくい上げている。やらせや過剰演出にうんざりしている視聴者にとっては、お涙頂戴よりもリアルに感じるため、反響があったのでしょう」(市川氏)

 また、大物芸能人の中には番組の内容や“感動の押し付け”を快く思っておらず、同番組を笑いのネタにしたり、出演を拒否する者もいる。

 「一部報道によれば、出演者には数百万円から数千万円とも言われるギャラが支払われていると伝えられています。とくに、長時間出ずっぱりのメインパーソナリティーのギャラは高額なうえ、イメージアップにもなる。そんなおいしいポジションをジャニーズのタレントが15年連続で務めているのにも違和感を覚えます。まあ、彼らは若い世代に絶大な人気があり、募金も多く集めやすいということで、局側も重宝しているんでしょうけどね」(前出のテレビウォッチャー)

つづく

2017年8月1日 11時50分 THE PAGE
http://news.livedoor.com/lite/article_detail/13414591/