FC東京に、アウェーで1−1で引き分けたアルビレックス新潟。 

 白星こそ奪えなかったが、今季あと一歩ですり抜けてきた勝ち点1を必死に離さなかった。中断期間中に鍛えた戦術と、新加入のMF磯村とDF大武の力が最後の踏ん張りにつながった。

 後半21分。猛攻に耐えてきた守備が相手の個人技で崩され、追い付かれる。終盤に集中や連係の意識が途切れ、連続失点するのが今季の悪癖。しかし、この日は「失点後も前を向けた」(MFロメロ・フランク)とタフさがあった。

 体力面を支えたのはボランチの磯村。前半から安定してパスをつないで流れをコントロール。速攻中心だった以前に比べ、ボールを保持する時間が増え守備の負担は減った。

 前所属の名古屋で昨季はJ2降格を経験。その教訓も生きた。「去年は勝ち点1に泣いたので、アウェーで1取れればいいと割り切った」と磯村。「センターバックとボランチとで我慢してやれば耐えられる」。そう呼び掛け、全体の落ち着きを保った。

 久しぶりの公式戦となった大武も空中戦で強さを発揮。課題だったセットプレーでの守備の安定感につながった。先制のFKも遠いサイドに配置した長身大武ら、長身選手が相手の注意を引きつけ、ニアのMFチアゴ・ガリャルドが合わせた。

 「今日をベースに肉付けしていけたらいい」と磯村。新たな柱が加わった戦い方に、確かな手応えはあった。

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