0001江戸領内小仏蘭西藩 ★@無断転載は禁止
2017/07/29(土) 02:23:44.08ID:CAP_USER92017.7.28 08:30
http://www.sankei.com/smp/entertainments/news/170728/ent1707280002-s1.html
私小説「死の棘(とげ)」で知られる作家、島尾敏雄と同じく作家の妻、ミホの出会いを描いた「海辺の生と死」(29日全国順次公開)で、
越川道夫監督(51)が満島ひかりから情念あふれる演技を引き出している。
原作は、ミホの同名小説や敏雄の「島の果て」など。昭和19年、奄美群島のカゲロウ島(加計呂麻島がモデル)。
トエ(満島)は、海軍特攻艇の隊長、朔(さく)中尉(永山絢斗)と出会い、ひかれ合う。しかし戦況は悪化し、朔の出撃の日がやってくる…。
「島尾夫妻のことをずっと映画にしたかった。恋愛映画だが、単に戦争を背景にしたロマンチックな物語にはしたくなかった」と越川監督。
朔を全身で愛するトエを満島が熱演。朔との密会のため、人目を避けて岩によじ登り、海に潜る。「死の棘」で描かれるように、彼女が後に精神を病むことを考えると、その姿は哀切きわまりない。
「人と動物の間のようなものを撮りたかったんです。満島さんは無限の可能性を秘めた女優で素晴らしかった」と笑う。
トエが話す同島押角地方の方言が魅力的だが、現在は話者がほぼいない。
「ミホさんの話し方を覚えている、ご子息で写真家の島尾伸三さんに脚本を読み上げてもらい、参考にしました。観客が何かを感じてくれればうれしい」
奄美大島や加計呂麻島でロケを実施。トエと朔の2人を包む自然が、濃密なドラマを力強く支える。
「照明など撮影準備をするうち、独特の“奄美の空気”が消えてしまう。数分待つと空気が落ち着いてくるので、それから撮影するようにしていました」
ラストシーンは極めて淡泊。「奄美には20番くらいまである歌が伝わるが、2番、3番と数えず、全部1番。映画も全部シーン1と思って撮るとどうなるのか。そんなことを考えながら撮りました」と語った。(岡本耕治)