18試合を終わって、首位との勝ち点差9ポイント。8位と低迷する浦和レッズにとり、首位セレッソ大阪との一戦は大きな意味を持っていた。スルガ銀行チャンピオンシップの出場のため、7月22日に先立って行われたJリーグ第22節。3万人を超える観客が見守るなか、キックオフされた。

 「絶対に勝たなくちゃいけない試合だった。その試合で、この失点の仕方は……ひどい」

 柏木陽介が振り返るように、浦和は6分、8分と続けざまにセレッソ大阪の杉本健勇にゴールを決められてしまう。

 18分にズラタンが得点するも、27分に山口蛍、35分丸橋祐介の追加を許す。前半ロスタイムにラファエル・シルバが1点返したものの、守備を固めたセレッソのゴールを破ることもできずに、2-4のまま浦和の今季8敗目が決まった。失点数は34点に増加。1試合多いとはいえ、リーグワースト3の数である。

「学生のようなイージーなミスからの失点が多い」

 昨季リーグ最少失点を記録した浦和の堅守はどこへ行ってしまったのだろうか。Jリーグでの無失点試合は2度だけで、カップ戦を含めてもACLと天皇杯で一度ずつあるだけだ。

 それでも監督自らが進退を掛けた新潟戦、天皇杯の熊本戦に勝利し、ドルトムントとの親善試合でも敗れたものの善戦した。

 そして、優勝争いに食らいつくために絶対に落とせないはずのセレッソ戦で、前半に4失点という大失態を晒したのだ。しかもそれらの失点は、相手に圧倒されて失ったものではない。ペトロビッチ監督も試合後に語っている。

 「失点が多い試合が続いているが、その失点の形は学生チームの失点のようなイージーなミスからの失点が多い」と。

柏木陽介は「恥ずかしい」と繰り返した。

 試合後のミックスゾーンに姿を見せた柏木は、深いため息を交えながら言葉を発した。彼が発する落胆のオーラは、自らの不甲斐なさを恥じているものだった。

 「なんてことのない失点だった。スペースを消しておけば、マークについてれば、防げたはずの失点だった。2点目も俺のミスから始まっているし、そういうところは集中していかなくちゃいけない。3点目も誰かがでていかないといけないところでの失点。4点目も普通にクロスがかぶっただけ。こんな感じだと、勝てるはずはない。

 ドルトムント戦でいい試合ができたなかで、今日はなんで守備があんなにうまくいかなかったのか。誰もそんなつもりじゃないんだろうけれど、ひとりひとりがモチベーションの部分で、よくなかったのかもしれない。だから、立ち上がりの失点で、相手を勢いに乗せてしまった。いろんな部分で……ただ、恥ずかしいの一言。

 今のサッカーをやっていて、監督に申し訳ないし、サポーターに申し訳ない。やっている選手たちも懸命なんだけど、自分たちがなんとかしないと何も始まらない。前の選手がしっかり守備をするとか、後ろの選手も安い失点をしないとか。中盤の選手はしょうもないミスをして取られないとか。そういうシンプルなところに関して、今日は欠けていたのかもしれない。

つづく

7/24(月) 12:21配信 number
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170724-00828523-number-socc