15日にサッカーのJ1浦和と対戦したドイツ1部ドルトムントのガボン代表FWピエールエメリック・オーバメヤン(28)とフランス代表FWウスマヌ・デンベレ(20)が朝日新聞の取材に応じた。この夏の移籍市場の注目株オーバメヤンは「時が来たら話をしたい。まだ決めていない」と明言を避けた。

 ドルトムントは日本代表MF香川真司を筆頭に、ブレーク前の有望選手を獲得し、育て上げることが得意だ。オーバメヤンはフランス1部での実績はあったものの、世界的には未知数だったころにドルトムントに移籍。4季目の昨季、他を圧倒するスピードを武器に31得点で得点王に輝いた。デンベレもドイツ初挑戦の昨季、32試合に出場して6得点。19歳ながら一躍、主力となった。

 「最初は全ての試合に出ていたわけではない。それで忍耐強くなった。力強さと決定力も身につけ、今のようになった」とオーバメヤンはドルトムントでの成長に手応えを感じる。フランス語が通じるデンベレとの相性は抜群だ。デンベレも「ロングボールを蹴るようにしている。悪いパスであっても、彼なら追いついてくれるから」と笑う。サッカー選手で最も足が速いとも言われるオーバメヤンは「16歳で11秒。その時よりも成長している。フランスで陸上に誘われたことがある。ゴールを決める方が楽しいから進まなかった」という。

 2人にとって、香川はどう映るのか。オーバメヤンは「ドルトムントにとってのキャプテン翼。素晴らしい」と話す。デンベレも「せまいところで強くて決定力がある能力は自分も欲しい」と、かつてドルトムントを優勝に導いた香川への称賛を惜しまない。

 5季前の香川同様に、活躍すれば移籍のうわさが立つのが宿命だ。オーバメヤンはイングランド1部チェルシーなどへの移籍が取りざたされる。移籍金は6500万ポンド(95億円)ともされるが、「いろんな音が聞こえるのは当たり前で、みんなが知りたいのは当然だと思う。まだ決めていない」と話すのにとどめた。(河野正樹)

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