■8位浦和から10位鳥栖までがギリギリで優勝圏内か。
 
今シーズンでいえば、勝点26で8位の浦和、同24で9位のFC東京、同10位のサガン鳥栖までを、ギリギリで優勝圏内に加えられるだろうか。
7月5日の川崎F戦に1-4で大敗した浦和のミハイロ・ペトロヴィッチ監督は、試合後の会見で「前半戦を終えて首位の鹿島と勝点10の差は、決して追いつけないものではない」と話した。

厳しい現状を直視しつつも、「決してあきらめてはいけないし、下も向いてはいけない」と続けた。リーグ優勝を諦めない浦和の後半戦は、トーナメントに似たものとなっていく。

■2位・C大阪にとって頼もしい&有難くないデータ。
 
前半戦を2位で折り返したチームの、優勝の可能性はどうだろう。
ここまで勝点35で2位のセレッソは、浦和に次いでリーグ2位の33得点を記録し、失点をリーグ2位タイの15に抑えている。就任1年目の尹晶煥監督のもとで攻撃力を維持しつつ、守備をしっかりと整備した印象だ。

データも悪くない。'08年の鹿島、'10年の名古屋グランパス、'11年の柏レイソル、'12年のサンフレッチェ広島が、前半戦2位からリーグの頂点へ辿り着いているのだ。
しかも、鹿島を除く3チームは、いずれもJ1リーグ初優勝である(ステージ優勝は除く)。J1リーグでは2位が最高位のセレッソには、頼もしいデータと言えそうだ。

その一方で、有難くないデータもある。13年の前半戦を2位で折り返した大宮アルディージャは、急激な失速で14位まで下降した。14年の後半戦に2位から挑んだサガン鳥栖も、最終順位は5位に止まっている。
翌15年の第1ステージで2位に食い込んだFC東京も、年間順位は4位だった。

■杉本、山村、柿谷らスコアラーの奮闘が不可欠に。
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17年のセレッソは、どちらのパターンに属することになるのか。'08年の鹿島ではマルキーニョスが、'10年の名古屋ではケネディが、'12年の広島では佐藤寿人が、それぞれ得点王に輝いている。
'11年の柏では、レアンドロ・ドミンゲスがリーグ3位タイの15ゴールを記録した。

ここまで7ゴールで得点ランキング4位タイの杉本健勇と山村和也、前半戦を3得点で終えた柿谷曜一朗らの奮闘が、初のリーグタイトルには不可欠と言えそうだ。

現在進行形の戦いに、過去の記録をそのまま重ねることはできない。ただ、データが示唆する未来はある。
2017年もまた、鹿島は後半戦の強さを発揮するのか。浦和が歴史的なシーズンとするのか。セレッソが2位から優勝を果たすのか……シーズン終了後に検証をしてみたい。

(「JリーグPRESS」戸塚啓 = 文)

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